1.誠凛高校バスケ部
黒子と二号
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黒子が頭に氷水を置きながら、立って見学している中、日向たちは、基本練習を終え、各自安易…だがしっかりした…ストレッチをして、練習試合に入る。
バッシュのスキール音とともに、ボールが早いスピードで回されていく光景を見ていて、黒子はむず痒さが走っていることに気付いた。
それだけバスケが好きで、やりたいのだろう。
「…早くバスケがやりたいです」
「体調戻ってからにしてよね」
思ったことを口にしてみるが、なんなくカントクに流されてしまう。
やりたいのに…と心の中で思いつつも、ボールを目で追う。
丁度、火神がパスを受け取り、ダンクをするところだったので、思わず口元が緩む。
光が少しずつでも成長している姿を見れて、黒子は嬉しいのだ。
「カントク、2号の様子を見てきます。どこにいるか知ってますか?」
このままバスケの様子を見ていると、バスケがしたくなってしょうがないので、紛らわしに2号と話そうと黒子は思い、カントクに声をかける。
リコはうーん…と考える様子を見て、小さく首を横に振る。
「分からないけど、部室とか、体育館の周りのどっかにいるとは思うわ」
「ありがとうございます」
少なからず情報をくれた彼女にペコッとお辞儀をすると、走ることは無く、ゆっくりと体育館を出た。
空は住んでいて、白の模様なんか一つもない、綺麗な海の様な空。
黒子は思わず立ち止まり、空を見上げる。
「…なんで、出てこようとするんでしょうか…」
小さくそうポツリと呟くと、黒子は2号探しに出かけた…。
黒子テツヤには、もう一人の自分が存在する。
所謂、二重人格と似ているが、それとは少し違うものだと、黒子は思っている。
記憶は完全に無く、たまに自分がしたことが無い、もしくはした覚えのない行動をしていることがあったりして、気味が悪い。
買った覚えのないものを手に持っていたり、財布からお金が消えていたり、知らない道に出ていたり、様々だ。
そんな朦朧としたことは小学校の頃から数回あったのだが、年に1,2回だったのであまり気に留めていなかったのだが。
どうも、高校に上がり、バスケ部に本入部した時から多くなっているのだ。
しかも、そのもう一人の自分のような存在が出るのは…
と、そこまで黒子は考えると首を横に振った。
「…勘違い…ですよね、勘違い。…2号ー」
勘違いだと自分に思い聞かせ、2号の名前を呼ぶ。
すると、遠くのほうから、ワンワン!という2号のような声が黒子の耳に届いた。
そして、勢いよく走ってきたのは、やはり黒子と目元が似ている、テツヤ2号だった。
「くすぐったいですよ2号」
黒子の頬をペロペロと舐め、ブンブンを尻尾を振る2号の姿を見て、ニコッと笑う。
そして、気分の悪さがさっきより…朝よりも良くなっていることに気付く。
もう一人の自分…『ボ
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