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【ネタ】 戦記風伝説のプリンセスバトル (伝説のオウガバトル)
21 剣、取りし者
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り、ここに居るオピニオンリーダー候補者の二人は聖剣『ブリュンヒルド』を装備していなかったのだ。
 聖剣『ブリュンヒルド』はカストラード海の教会に隠されていたのだからここにあるはすがない。
 で、それによって彼と彼女はウォーレンの招きに遅れ、急場をしのぐ為に呼ばれたのが私とデスティンだったと。
 運命とはうまくできているものだ。
 こうやって、回りまわって因果の糸が物語を作り上げてゆく。
 ボイナで飛んでいけるので少しの休憩を取る事になり、ゼノビア王国名物というか主食になりつつあるパンプキンパイを広げてデスティンと二人で摘む。
 こういう時にデスティンはこちらの事を思ってか声をかける事はしない。
 そんな気遣いが今の私にはありがたかった。
 
「あれ?
 デスティン、蜂蜜全部使った?」

「いや、エリーの分は残しておいた……なくなっているな」

「もぐもぐ……おいしいわねこれ。
 あ、おかわりちょーだい」

「「!!!」」

 二人して気づかなかったなんてなんたる不覚と内心反省しながら鉄扇を構えて、その子の後ろに羽がある事に気づく。
 で、デスティンはブリュンヒルドに手をかけているというのにこのお子様妖精パイから目と手を離さない。
 まぁ、敵意はないのだろうとため息をついて非常食用に残しておいたパンプキンパイをお子様妖精の前に置く。

「ありがとう。
 いただきまーす♪」

 ああ。
 ちゃんといただきますが言えておいしそうに物を食べる人(妖精だが)に悪人は居ない。
 私もデスティンも警戒を解いてこの子に話しかける。

「かわいい妖精さん。
 お名前は?」

「むぐむぐ……チルク。
 いい匂いがしたからやってきたの」

 とりあえず、食べるかしゃべるかどっちかにしなさい。
 多分これ勧誘できそうなんだけどどうしようかと迷っていたら、デスティンが好きにしたらと目で笑う。
 このままパイあげてさようならもなんか味気ないしこれも何かの縁だろう。

「私達の仲間になったら、このパイ食べ放題」

「うん!
 わたし仲間になる♪」

 ちょろい。



 貿易都市ロンギスに到着すると、スザンナに連れられて二人の剣士が前に出る。
 本来ならば物語の主役になったかもしれない二人の剣士は、力量だけはたしかなものがあった。
 だが、装備となると案の定そのあたりの兵士程度でしかない。
 それを気にする事無く女剣士が口を開いた。

「スザンナ殿より話を聞きました。
 私も町を占領しているドラゴンを倒そうと思っているのだけど、なかなか手強く……」

 そりゃそうだろう。
 そのショートソードでドラゴンが貫けるならば苦労はしない。
 防具も自作のハーフアーマーにラウンドシ
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