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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
第六十七話
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だから…彼女を救える手があるのなら僕はなにがあろうとその手を使って彼女を助けるだろう。
そう、例え───



「ぐっ…ぁあぁぁっ!」



「え、衛司っ!?」


──例え、僕がどうなってしまおうと。
僕はディセンダーの力を発動しているカノンノの右手を左手で握り、自分の身体にディセンダーの力のドクメントの転写をさせる。突然の事にカノンノも対応出来なかったのか、今僕の身体の中で何かが刻み込まれるような感覚と痛みが走る。
今まで見てきたカノンノ達のドクメント転写は大丈夫そうだったけど…やはりこれも僕自身のドクメントの状態が問題なんだろう。


「主…何を…っ!カノンノ、一度ディセンダーの力を…っ!」


「ぐっ…いいんだ、ヴォルトっ!カノンノ…このまま…続けて…っ!」


「衛司…でも…っ!」


僕の行動にヴォルトがカノンノに止めるように促すが、僕はカノンノの手を痛みを堪えつつ握りディセンダーの力の使用と転写を続けるように言う。


「アンタ分かってるのっ!?それ以上やったらアンタの身体が…」


「僕がどうなるかは分からない…だけど…ここでメリアを失うのなんて嫌だっ!それに…大切な女の子一人救えないで…世界なんて救えないよ…っ!」


「…っ!アンタ…」


「…そう、だね…衛司っ!皆一緒に…メリアを助けようっ!」


僕の行動にリタが声を上げるが、僕はそれでもリタを一度見てそう言葉を出すと、痛みを耐えながら握っていない右手をゆっくりとメリアに向ける。
僕の言葉にカノンノは意識を切り替えるように首を横に振った後大きく頷いてそう言い、真っ直ぐとメリアに視線を向けた。


「…分かった…無茶しないでよ…っ!」


「主…助けましょう…皆でっ!」



「っ…うん…っ!メリア…絶対に助ける…だから…目を…覚ましてくれえぇえぇぇぇっ!」



僕とカノンノの行動にリタも諦めたように、それでいて決心したような表情で言い、ヴォルトも頷きながら言葉を出した。
徐々に痛みは増してくる。だけど、ここで諦める訳にはいかない。僕はただただ強く、彼女が目を覚ます事を想いながらメリアに向けて転写されたディセンダーの力を発動させた。

そして…より一層強い光が、部屋の中を包み込んだ。





──────────────────────




──暫くして、光が徐々に小さくなり視界が分かってきた。
光が消えた今…僕達の目の前で眠るメリアの姿は、先程までのジルディアの浸食で結晶化したものではなく、今まで見た彼女のちゃんとした姿だった。
成功…したのか…?


「──…ん……ぅん…っ」



「っ!メリア…!」


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