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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
第六十七話
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かせようとそっとカノンノの頭を撫でた。


「カノンノ…一旦落ち着いて。ここでカノンノが倒れたら本当にメリアは助けられなくなる。きっと…何か手があるはずだ…っ」


「衛司…っ」


「…手ならあるわ」


カノンノの頭を撫で、落ち着いてきたのが分かると僕はカノンノに、そして自分に言い聞かせるように言葉を出す。その中、リタが何か思いついたように声を出した。
リタは僕達の視線が集まったのを見るとそのまま静かに口を開いた。


「簡単な事よ…カノンノ『一人』じゃない…『皆』でやるのよっ!」





──────────────────────




──リタの『手』…それは実に単純な事。
リタ達が完成させた『手を繋ぐ』ことによる『ディセンダーの力』の転写。
それを利用してこのアドリビトムにいる皆にディセンダーの力を転写させ、皆の力でメリアの浸食を浄化する、というものだった。
今、その説明を受けてこの医務室に居たニアタ、リタ、ハロルド、ヴォルト、ウンディーネ、アンジュがディセンダーの力を皆に転写する為に出て行った。
…本来ならば僕もそれを手伝うべきなのだが…。


「──『アンタじゃ無理』…か…」


目の前でジルディアの浸食が徐々に、徐々にと進んでいくメリアの姿を見ながら、僕は先程医務室を出ていったリタに言われた一言を呟いた。
本来なら僕も手伝うべきであるドクメントの転写。だけど…僕のドクメントの状態が状態である為、いくら転写を簡単にして影響を幾分か減らしたとはいえ…僕のドクメントにどのような影響を及ぼすかは分からない。
だから…僕はディセンダーの力の転写を手伝う事が出来なかった。
世界樹の木刀があれば少なからずとも、メリアの浄化を手伝う事ができるのだが…今はその木刀も砕け、僕に出来ることは…何もなかった。



「…くそっ…いつも僕は…肝心な時に何もできない…っ」


「そんなことないよ、衛司っ!」



目の前で浸食の進むメリアの姿に、自分だけが何もできない不甲斐なさに思わず言葉を漏らすと、カノンノがそう言って僕の手に触れた。


「カノンノ…」


「衛司が何もできなかった時なんてない。衛司はいつだって私達が困ってる時や辛い時に手を伸ばして支えてくれた。だから…そんな事言わないで。きっとここにいるだけでも…メリアにとっては十分だと思うよ」


「…っ…そう、かな。…ごめん、カノンノ」


カノンノの行動に僕はカノンノを見ると、カノンノはそう言いながら触れていた僕の手をそっと上から握ってきた。
僕はその言葉に小さく頷いて、メリアの方へと向き直った。


「…メリア…今、君がどうなっているかは分からないけど…きっと目を覚まし
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