第十一話 アクセルSIDE6
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
アクセルは大いに慌てていた。
ハイエナードとの戦いから帰り、ルインに促されて傷が酷いからとメンテナンスを受けていたのが間違いだった。
自分が寝ている間にとんでもないことが起きていた。
エックスがイレギュラーに襲われたという。
アクセルは事の子細を知らなかったが、とにかく酷い有様らしい。
自動ドアをぶち破るように開けた。
アクセル「エックス!!?」
集中治療室にはベッドに寝かされているエックスの姿があった。
蒼いボディは肩から脇腹にかけて包帯が巻かれている。
幾重にも巻かれた包帯がエックスの怪我の深刻さを物語っている。
ダグラス「アクセル?」
アクセル「え?」
驚いて声のした方を見遣ると凄腕のメカニックがこちらを見ていた。
ダグラス「エックスの見舞いか?エックスなら大丈夫だ。ライフセーバーのお墨付きだ。」
アクセル「どうしてダグラスがここに?」
ダグラス「被災者が多くて手が回らないから様子見とけ…って、ライフセーバーに頼まれてさ」
アクセル「そう…」
アクセルは興奮の幾分収まった顔でエックスを見る。
まだ大人になりきれていない顔立ち。
微かに上下する胸。
横たえた四肢の、腕がひどく華奢に見えた。
アクセル「…今、気づいたんだけど」
ダグラス「ん?」
アクセル「エックスって、大きくないんだね。レッドアラートはデカイ奴もいたのに。エックスはこんな小さな身体で戦って来たんだ」
ダグラス「小さいならお前もそうだろ。ルインやルナだって小柄だし」
アクセル「そりゃそうだけどさ」
さらっと答えるダグラスにアクセルは口を尖らせる。
アクセル「確かにそうなんだけど…以外だったんだ」
再び眠るエックスを見つめる。
彼の表情は穏やかだった。
噂で聞いていた雄々しさも、初めて会った時の毅然とした雰囲気もない。
アクセル「僕はエックスのこんな顔見たことなかった。いつも張り詰めた顔してた」
こんな小さな身体にとてつもない重荷を背負って戦っていたのだエックスは。
“英雄”
“救世主”
2つの称号という名の枷。
アクセル「…とにかく、行ってくる!!早く戦いを終わらせないと!!」
ダグラス「おい、アクセル?」
ダグラスが呼び止めるのも聞かず、アクセルは走り去る。
1人取り残されたダグラスはしばらくして笑う。
ダグラス「本当にライフセーバーの言ってた通りエックスにそっくりだな…。ん?だったらゼロやルインにも似てるのか?」
いつも無茶ばかりしている3人を思い浮かべ、ダグラスは1人噴き出した。
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ