下忍編
そむける
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らの首元を押さえ、警戒した様子で尋ねる。
彼女にとって、九尾の人柱力は、危険でもなければ無害でもない。しかし、自分の施された呪印に何かをしたというのならば、それは有害だ。
彼女はアンコに恨みを持っていない。いやきっと、誰にも恨みを持っていないだろう。いつだって彼女の目は空虚で、自分達に向けられているようで、何も向けられていない。
そんな彼女が、あえてアンコを害するはずは、ないだろう。予測の域を出ないだけだが。
カトナは、警戒したように見てくるアンコに、くすくすと微笑した。
「ないしょ」
人差し指を口元に手をあてそう言った後、彼女は、問い詰めようとして来るアンコの手から逃れて、すぐさまその場を離れ、ナルトと湖面の喧嘩を仲裁させるために、二人の中に入っていった。
…
笠をかぶった女が笑う。
しなやかな指先を操り、彼女は、喧嘩を仲裁させるカトナの姿を、目を細めて捉えた。
狐の面を被った少年が、「よくできました」とでもいうように頭を撫でられ、出すはずだった反論の言葉を呑み込んで、なすすべもなく、撫でられる。
心なしか、嬉しそうに見える少年に、ナルトが喰ってかかる。
そんな賑やかな光景には目もくれず、女はまるで、カトナを監視するかのように眺めた。
その口が歪み、気持ち悪いまでに煮詰められた欲望が溢れ出る。
「…あのこ、おもしろいわねぇ」
アンコは気が付いていないけれど、しかし、彼女は気が付いていた。アンコに施された異変の正体を。だからこそ、彼女はカトナに目をつけた。
本命は、サスケ君だけだったけど、つまみ食いするのも楽しそうだと、うっそりと、蛇は笑った。
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