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無欠の刃
下忍編
そむける
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う、、便利な術である。同時に、どれほど『見たい』と望み、それを見つけようと集中した人間の目的を、すり替えることが出来る。

 つまりは。


 木の葉の里の大人は、無意識の内に、『カトナ』という嫌なものを無視するのだ。


 嫌な物は、見なければ気分が良い。見てしまえば気分が悪くなって、けれど、無視するわけにもいかず、傷付けなければならない。見られてしまえば、暴力を振るわれて痛くなる。
 だから、彼らはカトナを見つけても、無意識の内に無視したいと願い、カトナがかけた術の効力が旨く発揮されて、カトナのことを無視するのだ。
 そして、カトナを殺したいほどにくむ人は、カトナを見つけようと躍起になり、術の効力が発揮され、カトナを見つけれなくなる。

 つまり、この術式はカトナを木の葉の大人から守ってくれる、最高にして最大の武器なのだ。
 この術さえあれば、カトナは安心して往来を歩ける。この術さえあれば、カトナは傷つかなくて済むのだ。
 開発した当時には、こんな風な使い方をするとは微塵も思わなかったと感慨にふけりながらも、キラキラとした目でカトナの開発した術を聞いていたサクラが、上目で伺うようにカトナの方を見る。
 その目に浮かぶ、どんな術式か教えてほしい。という、実に素直なその疑問に、カトナはひらひらと手を振りかえす。
 企業秘密だというその答えに、うー、という声を洩れさせて、残念そうに俯くサクラに、うっと、小さくカトナが動揺する。
 そうやってすねられると思わなかったらしい、困ったようにカトナがサスケの方を見る。どうやら断った手前、どう教えていいかわからないようだ。
 うるうると、言葉を語らずとも瞳だけで訴えてくるカトナのその視線に、サスケは、はぁ、とため息を吐いた後、サクラに声をかける。

「その術式構成なら、俺が教えてやるよ、サクラ」
「え、ほんと!?」

 ぱっと華やいだサクラは、自分の憧れの人に教えてもらえるという満足感で、サスケがなぜかカトナの術の術式を知っているという事実に気が付かなかった。



 死の森。
 第二次試験。課題は、一つのチームに地か、天と記された巻物が一つだけ配られるので、自分が配られていない方の巻物を手に入れ、地と天の巻物二つを揃え、森の中心にそびえたつ塔に向かう。
 端的に言えば、バトルロワイヤルだ。
 森の中心の塔に向かえば向かうほど、他人との遭遇率は高くなる。いかに早く、いかに効率的に、巻物を奪い合うか。これはそう言った技能も求められるのだろう。
 と、思いながら、カトナは、これを企画した特別上忍であるみたらしアンコのほうをみた。
 嫌な感じが、彼女の首から流れ出てくるような、そんな気配を感じるのだ。
 …呪印か、な。
 ネジの額に刻まれていたのと、根本的な
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