プロローグ
僕
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「火神君。」
黒子は、部活にすぐ行こうとする目の前の光にそう声をかけた。
丁度6時間目の授業が終わり、教室の中は静かで、思わず本を取り出したくなるような、そんな暖かい静けさだ。
「お?どうした黒子。部活いくだろ?」
「その予定だったんですが…」
彼はこっちを振り向き、きょとんとした顔を作る光…火神君に、あらましを伝える。
「実は、朝から少し気分が悪くて」
「おいおい、大丈夫かよ?」
火神君は心配したような顔で、黒子の顔を覗き込む。
「お昼までは部活に支障は出なさそうだったんですが…昼休み以降さらに悪くて…」
「保健室行ったほうがいーんじゃねぇか?」
「…いえ、このまま家に帰って休もうと思います。先生に迷惑かけるよりはいいと思うので…」
黒子は思ったことをそのまま火神君に伝え、椅子から立ち上がる。
心配そうに黒子の肩を持つが、そんなことをしていたら火神が部活に送れて、ロードワークなどが3倍になりかねない。
そう思った黒子は、浅い息の中、火神に向かって口を開く。
「火神君。僕は大丈夫ですから、部活に…」
「足元ふらついてる奴を放っておけねーだろーが」
「…カントクにしごかれますよ?」
嫌味を混ぜるように黒子は吐き捨て、火神君の肩を押す。
心配そうに黒子の顔を見ていた火神だが、無理すんなよと黒子に言葉を残し、足早に去っていった。
誰も居なくなった廊下で、黒子は一つ溜息をついて座り込む。
??誰も心配してくれなくなっちゃいましたね。
頭でそんな声が響き、ズキッと痛む。
「…やめてください…、そんなことないです」
??わからないでしょう?火神君だって、本当は心配してないかもしれないじゃないですか。
言葉が脳裏でひっくり返る度、黒子の頭はズキズキと痛みが走る
「…君にはわからないことです!」
いつもより少し大きい声で、黒子は叫んだ。
すると、頭の痛みは微妙に薄れ、さっきまで聞こえていた声がきこえなくなる。
気分の悪さは、この声からほぼ来ていたのだろう。
「…はぁ…はぁ…」
冷や汗が止まらなくなっていることに、黒子は今更のように気づき、汗をぬぐう。
さっきまで、歩けないくらいの気分の悪さが、今はどこにもない。
少し気分が悪いのは抜けないが、部活ができないほどではなかった。
「…火神君、今僕が部活に行ったら心配するでしょうか…」
さっきの気分の悪さをしっている火神は黒子のことを止めるだろうか。
だが、あの気分の悪さは風邪や、ただの体調不良なのではないのだ。
「とりあえず、顔は出しに行きましょう。…見るだけでもしたいです。」
ぽつっと黒子は呟くと、教室に置きっぱなしだった鞄に手を掛け、体育館
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