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転生赤龍帝のマフィアな生活
十九話:お話し
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いている時によくお母様が心臓の音を聞かせてくれていたんです。それを覚えていた私は今思うと失礼ですがその子の胸に耳を当てさせてもらったんです。

ドクン…ドクン…と規則正しいリズムを聞いているうちに心が休まり瞼が重くなっていきました。
そのまま寝てしまいそうになった時―――突如部屋の中が明るく照らされたのです。
驚いて跳ね起きるとその子が手の平に明るいオレンジ色の炎を灯していました。
その子―――男の子は面倒くさそうに拘束具を破り捨てながら私に話しかけてきました。

「おい、ここがどこだか分かるか?」
「―――――――」
「それじゃ、喋れねえか……ちょっと待ってろ。」

そう言って男の子は私の拘束具を外してくれました。

「さっきの質問分かるか?」
「……分からないです。」
「そうか……。」

それだけ言うと男の子は部屋を見渡し始めました。
そして状況を理解したのか大きく舌打ちをしました。

「ちっ!!また誘拐かよ、面倒くせえな。今度からオートで反応出来る様に鍛えるか。」
「あの……。」
「取りあえず、俺を攫った奴らは全員カッ消すか。」

そう言って扉を粉砕し外に出て行こうとする男の子。
私はまた一人になるのが怖くて震えるような声で男の子を呼び止めました。

「待ってください…!!」
「……何だ?」
「一人に…しないでください。」

「………俺の後ろに付いて来い―――俺がお前を守ってやる。」
「っ!?はい!!!」

その後は男の子の後ろにただついて行くだけでした。男の子は信じられない程の強さで男達を倒していき、あっという間にアジトを占拠してしまいました。でも私はその時はそれがどれだけ凄いかも、男の子がどれだけ異常かも考えていませんでした。

ただ、私を守ってくれるその背中に見惚れていたんです。はい、好きになっていたんです。
その男の子を―――一誠さんを。




〜回想終了〜


「……そんなことがあったのね。それにしても四歳でアジトを潰す一誠って何者なの?」
「まあ、気にしないほうがいいかと思いますよ、親方様。」
「ふふふ、私の大好きな人です。」
「惚気ありがとうね……それで結局それからどうなったの?」

気を取り直して親方様がユニ殿にそう尋ねる。

「一晩そこで一緒に寝てから帰りました。」
「え!?そのまま帰らなかったんですか?」
「一誠さんが寝ると言い出したので私も一緒に……その……。」

そう言って頬を赤らめるユニ殿……一体何があったのでしょうか?

「それで…その…枕が無いという理由で抱き枕代わりにされまして……。」
「一晩中抱きしめられてたの!!?」
「はい……。」

顔を赤くしながらも幸せそうな表情で頷くユニ殿……一誠殿は天
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