原作開始
クラス代表決定戦
再会
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あいつ《・・・・・・・・》の笑顔に、そっくりだった。昨日の夜にあの夢を見て少しセンチメンタルになっているのかもしれないな……
「俺のことは勿論知らなければいけないことだ。同じクラスメートなんだからな。気になることはどんどん質問しに来てくれていい。終わりだ」
席に座る。うわっ! 皆が露骨に安心してる! すげぇ! そんな空気や俺の感動を余所に、後ろの女子が自己紹介を始めた。
「私は木南楓」
……え? 今何て言った? 思わず振り返る。そこにはさっきと変わらない笑顔があった。
「趣味と得意なことは料理」
そうだ、楓は料理が得意だった。お互いがお互いに作って食べさせ合ったこともあった。
「自分で自分を守るための力が欲しかったのでこの学園にきました」
あの世界でも自分の身は自分で守れると言って、俺達の制止を振り切って結局ついてきた。
「好きなタイプは……」
そこでチラッと俺の方を向いてウインクをしてくる。ああ、この仕草は本物だ。
「なんだかんだ言いながらも守ってくれて……そして、私が傷ついたら自分のように悲しんでしまう。そんな人です」
昨日見たあの夢はこれの予知だったのか……。座った楓に向かって話しかける。
「なあ、楓……なんだよな?」
そう聞くと楓は、
「そうよ、私以外の誰かに見える? ねえ、私の愛した人……」
俺の大好きだった……いや俺の大好きなあの笑顔で言った。なんだか目の辺りが熱くなってくる。まずい、今ここで泣いたら周りから何かあったのかと思われてしまう。決壊しそうな心の堤防をなんとか持ちこたえさせる。
「何泣きそうになってるのよ……」
「またお前に会えたことが嬉しくてな……」
「なら、しょうがないわね。私も同じだから」
よく見ると、楓の目の淵に輝くものがある。楓はそれを拭って笑いながら、
「さあ、彼方。次の娘は私の親友よ。でも彼方、あんたは驚くでしょうね」
「どういうことだ?」
「ふふ、予想外の人物だからよ」
楓の後ろに座っていた女子が立ち上がる。赤みの強い茶髪で強気そうな印象を受ける。何故か何処となくその姿には見覚えが……あれ?
「アタシの名前は劔森悠那。好きなものは仲間、嫌いなものは争いだ。よろしく」
そう言って俺を見てニヤッと笑った。劔森が言った言葉には聞き覚えがあった。それも昨日の夜だ。何故なら、あの台詞は俺自身ユーナ・ソードフォレストに対して言った言葉だ。……ん?
劔→ソード 森→フォレスト 悠那→ユーナ
……マジで? 思わず楓の顔を見た。
「あ、気づいた?」
「……多分。とりあえず、本物か?」
「本物よ。私も確かめたからね」
「なるほど。楓の言った通り驚いた
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