■■インフィニティ・モーメント編 主人公:ミドリ■■
壊れた世界◆ミドリという男
第五十話 彼は誰だ
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けがない。黒鉄宮の石碑に書かれた名前だって、消えていたって話だもん」
マルバが反論したが、それにはキリトが首を振って答えた。
「アルゴに依頼してもう一度調べてもらった。石碑の名前は、文字通り消えていたんだ。死んだのなら、二重線で消される。ミズキの名前は、石碑のどこにも存在しなかったらしい。代わりに、ミドリの名前が追加されていた」
「そんな……そんなことって! 石碑の文字が消えるなんて……これもシステムのバグなのか?」
「ちなみに、ミドリの名前はアルファベット順で『ミカエル』ってプレイヤーの後に二つ並んで書かれていて、そのうちの片方は二重線で消されていた。死因は六十二層のモンスターに殺られたこと。つまり、ミドリっていうプレイヤーはかつてこのSAOに居て、ここに居るミドリは二人目なんだ」
「そんなのありえない! 同じ名前のプレイヤーは一人しかいないはずだよ。だって、登録するときにすでに使われてる名前だって警告がでるはずだもん」
アイリアが机に身を乗り出して反論した。アイリアの言うとおり、すでに登録されているIDと同じIDを作成しようとしても、弾かれてしまって登録できないはずなのだ。ただし、ミドリに関しては事情が違った。ユイが立ち上がって、説明を始めた。
「それについては、私が調べました。ミズキさんのプレイヤーデータにはなぜかアクセスできなかったのですが、シノンさんの接続端末を調べたところ、シノンさんのIDは作成記録が存在しないことが分かっています。つまり、シノンさんのように端末の不具合によってSAOにログインした場合、ID作成過程を経ずに、すでに作成されたIDがログインしたとカーディナルシステムは認識します。つまり、今ミドリさんは既に死亡した『ミドリ』というプレイヤーとしてログインしていることになります。その際、既に死亡した『ミドリ』が再び存在することに矛盾が生じたので、それを解消するために再び『ミドリ』というIDが作成されたのでしょう。アバターはその際新規作成されたのだと思われます。
ミドリさんがシノンさんと同様にデバイスの不具合でSAOにログインしたと仮定すると、一つ言えることがあります。シノンさんが現実の姿と同じアバターを持っている以上、ミドリさんも同じく現実世界での姿と同じアバターを有しているはずです。私が見る限り、ミズキさんとミドリさんのアバターは全く同一です。つまり、ミドリさんとミズキさんの現実世界での姿も全く同一だということです。……或いは、ミドリさんがミズキさんの端末を使用してここにログインした結果、カーディナルシステムがミドリさんをミズキさんと誤認してしまったということも考えられます。……私にわかるのはこれだけです」
ユイが着席すると、アスナがよくやったねと彼女の頭を撫でた。
「……結局、問題は、
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