マクロスF
0758話
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染症を含めて休養期間的な意味で俺と一緒に過ごしていたが、元々シェリルは音楽の申し子と言ってもいい程の才能の持ち主だ。それを考えれば、ここで足踏みする訳がない。
「もう決めてるんだろ?」
「あら、分かっちゃった?」
「当然だ。俺を誰だと思っている、シェリル・ノームの恋人だぞ? ……ああ、そうだ。エルモとか言ったな」
「はいぃっ!」
土下座をしている体勢から頭を上げて俺へと視線を向けて来る男。
……色々と怪しげな男であるのは事実だが、シェリルに対しては純粋にその歌声に惚れたといった雰囲気を感じさせる。……何だか妙に俺を怖がっているようにも見えるが、恐らく実力差を感じ取っているんだろう。
「シェリルは色々と訳ありだ。それでもマネージャーをやりたいと?」
「そうです! シェリルさんがグリフィスパークの丘で歌っている歌を聞いた時、ビビビッと来たんですよね。以前ランカちゃんに感じたものが!」
「……ランカ?」
何でここでランカの名前が出て来る? そんな風に思った俺を見て何を疑問に思ったのか理解したのだろう。シェリルが口を開く。
「彼、前はランカちゃんのマネージャーをやってたんですって。でも、政府のプロジェクトでグレイスにその座を奪われたらしいのよ」
「なるほど」
まぁ、ランカについてはキノコとグレイスが手を結んで色々と暗躍していたんだ。歌手に影響を与えるマネージャーの座をそのままにさせておくという事は無いだろうな。
「はい、ランカちゃんは今ちょっとした事情で忙しいらしいですが……きっと頑張って歌っている筈です」
この台詞で、現在のランカがどんな状態になっているのかは推測出来る。まさか希望の歌姫が誘拐されたとも言えないので、何らかの理由を付けて表に出てこられないとしているのだろう。
「ま、これ以上俺が何かを言う必要は無いさ。シェリルも思う存分歌ってくれ。……ただし、恋人関係がNGだとかは無しにしてくれよ?」
「ふふっ、任せておきなさい。そっちの件もきちんと了承済みよ。ねぇ?」
「はいはいはいはいはい。勿論ですとも。その辺についてはこちらできちんと対応させて貰います。ただちょーっとですね。お二人でデートに出掛ける時は変装とかをして貰えると……」
「その辺はいつものことだしな」
「そうね」
こうして、翌日から再びシェリルの歌手活動が始まる事になるのだった。
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