第十話 エックスSIDE5
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れずに喰らってしまった。
左肩から右脇腹にかけて長い裂傷が走る。
蒼いボディが深々と裂かれ、鮮血を噴き上がらせた。
レッド「他愛ねえな」
薄笑いしながらエックスに向かうレッド。
仰向けに倒れたエックスの双眸は閉じられている。
顔には苦痛の色が微かに浮かぶだけで、戦いで倒れた割には穏やかだった。
レッド「お前に怨みはねえが仕方ねえんだよ。俺達の仲間を元に戻すためにはな」
言い訳めいた言葉を口にしながら、レッドは大鎌の刃をもたげた瞬間。
ルナ「ホーミングショット、コネクションレーザー!!」
ゼロ「飛影刃!!」
レーザーと鎌鼬がレッドに襲い掛かる。
レッドはそれをかわすとレーザーと光の矢が放たれた方向を見遣る。
レッド「この攻撃は…!!?」
ルナ「エックスはやらせねえ!!」
ゼロ「お前の好きにはさせん」
イレギュラーハンターが誇る特A級の2人はそれぞれの武器を構えて敵を見据える。
レッド「チッ、ここは一先ず退くか」
不利を悟り、レッドはシュンと姿を消す。
ルナ「…ふう、ゼロ、エックスは?」
ゼロ「大丈夫だ。命に別状はない。ルナ、レスキュー隊を呼んでくれ、ライフセーバーに治療の手配をするように」
ルナ「おう」
2人はチラリとエックスの方を見遣ると、友は戦いで倒れたとは思えない程に穏やかな表情で眠っていた。
〜おまけ〜
陶器のバターケースがコトリという音を立てて置かれる。
続くは真っ白な卵。
小麦粉、砂糖。
薄い微笑は曇ることもなく、ただうきうきと指を動かし沢山の物を並べてゆく。
アーマーを解除し、いつもはヘッドパーツで纏められる銀髪をお気に入りの水色のリボンで纏める。
三角巾もエプロンも装備完了し、臨戦態勢。
ルナ「よっし、何のケーキを作ろうかね?」
アクセル「チョコレートケーキ!!上に粉砂糖かける奴!!」
零れた彼女の呟きに対し、待ってましたとばかりに答えたのはもちろん彼。
キッチンに立つルナのすぐ側にある椅子に、腰掛けながら力いっぱい、身を乗り出して、言いたくて言いたくてたまらなかったのか、片手を限界まで伸ばしてびしりと挙手までして。
勢いあまってそのまま椅子を倒してしまいそうな態勢で。
珍しく、彼女を早く早くと急かすようにその応えを待っている。
それだけアクセルの口にした物はアクセルにとってかなり食べたいものなのかもしれない。
瞳からはワクワクが溢れ出してしまいそうで、まるで、子供そのもの。
普段ならルナも快諾したに違いない。
ルナ「……何でガトーショ
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