第六話【春の訪れ?】
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ら懇願する。
「わ、分かった。い、言わないから、た、助けて」
凄い勢いで首が上に行ったり、下に行ったりで気持ちが悪い……。
見るに見かねて加藤君が神凪さんを止めて落ち着かせる。
「た、たうかった、かおうくん。ありかとな」
自分でもなにを言っているか分からないけど礼を言う。
「大地君は少し休んで、神凪さんは落ち着いて誰にも言わないから」
加藤君が一人で取り乱している神凪さんを落ち着かせようと努力する。私は悪い子だ、彼との約束を守れなかった。と泣きながら叫ぶ。なんだ? と、こっちを見るクラスメイト達に加藤君が、ちょっと色々あってね。と言って苦笑する。大丈夫? と聞く心優しくて、仲の良いクラスメイトにも神凪さんは、やくそぐが。と号泣する。
「五月蠅いなぁ。こっちはギャルゲーを楽しんでいるのに近くで泣くなよなぁ。誰にも言わないし、約束破ることだって偶にはあるものだぁ。気にするなぁ、それに誰もお前のこと興味ないってぇ、多分」
ギャルゲーに集中出来なくなった快が神凪さんを諭すように言う。
「……本当ですか? ……本当に」
「本当だぁ。面倒くさいなぁ、大丈夫。彼も許してくれるし誰にも言わないよぉ。クラスメイトと彼を信じろよなぁ」
クラスメイトやあの加藤君ですら手の焼いた神凪さんをすぐに諭し、落ち着かせる。
「……ありがどうございばす。……桜沢君」
嗚咽を漏らしながら快に礼を言う。
「別に大丈夫だぁ。泣きやむまで休めよなぁ」
快が言うと神凪さんは首を縦に振り、さっき、大丈夫と声を掛けてくれていた仲良しグループのクラスメイトと元いた場所に戻る。戻るのを確認してから快は、またギャルゲーをし出す。
快め、なんでこんなに面倒見がいいのかは今度じっくり聞くとしよう。
「大地君、大丈夫かい?」
一段落して加藤君が安否を問いかけてくれる。気持ち悪くて、今にも吐きそうだけど。意地を張って、別に問題な、うぅ、いっ。と答える。
「大地君、トイレ行こう。吐いた方が楽だよ」
実は大げさな演技をしていただけで今はもう、結構ふざけられるぐらい回復していたりする。ピークの時は本当にリバースするところだった。
「本当に大丈夫。もう大分マシだから」
ホント、ホント。ピークに比べたら余裕ですよ。
「なら、良かった。大地君、神凪さんの連絡先は僕と先いた葭原(よしはら)さんで交換しといたからね」
葭原さんとはさっき神凪さんを元の場所に連れって行ってくれたクラスメイトかな? と勝手に解釈する。
「ついでに、葭原さんのも入っているから」
「了解」
「変態? 加藤清道? 凛見なかった?」
ジュースを持った陽奈がこちらに来る。少し不安そうに周りを見渡している。
「俺は見てないけど。加藤君は見た?」
「そう言えば、さっきから見かけない
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