第1話 迷子の子虎?
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せいと言いたいが、どう表現すりゃあいいんだ!
えーと、頭の部分に丸描いて、矢印、声の表現は―
がりがり……(絵描き中)
出来たけど、これで伝わるのか?
「んー、頭の中で声が聞こえた?その声が原因とか?」
貴方は神か!
「え?ほんとにそうなの?」
こくこく。
「頭の中で聞こえる声……あの剣と同じ……」
剣?
「あ、なんでもないよ。それにしても、その声の人はどうして君の姿を変えて名前を忘れさせたんだろうね」
そこは俺にもわかんない。
声の主は何考えてんだ。
「とりあえず事情は分かったけど、名前がないと不便だよね?」
そうだな。と思って頷く。
「ずっと自己紹介してなかったけど、俺はレックス。寝ている子が俺の生徒のウィルだよ」
レックスって言うんですかー。
ようやく名前わかったよ。
「俺はあの子の家庭教師をしてるんだ。でも、船に乗ってる最中に嵐に巻き込まれて遭難しちゃったんだ」
ふむふむ。
「それで、君の名前なんだけど……」
この人のネーミングセンスはどれほどのものなのか……
「君を見てたらふと浮かんできたんだ。“ユエ”ってのはどうかな?」
それを聞いた途端、自分の名前だと思った。
元いた世界では全然違う名前だったと思うのに。
なんか女みたいな名前だなとも思うが。
「ちょっと変わってるし、なんだか女性みたいな名前だけど、なんでかな……君にピッタリな気がするんだ」
あんたも女みたいな名前だと思ってたのかよ!
「あれ?もしかして女の子だった?」
首を思いっきり振る。
「やっぱり男の子だよね」
こくこく。
「君の名前はユエでいいかな?」
俺は一声鳴いて頷く。
「じゃあ、君はこれからユエって呼ぶよ」
俺の新たな名前。
なんだか嬉しくなってくる。
変だよな、本当の名前忘れて代わりにつけてもらった名前だってのに嬉しいだなんて。
「ねぇ、ユエ。ユエは多分、元の姿に戻って還りたいんだよね?」
頷く。
「俺もその方法を探すのはもちろん手伝うけど、すぐには無理だと思うんだ……」
そりゃそうだろうな。
「方法が見つかるまで、俺の護衛獣にならないか?」
護衛獣?
「召喚師を守るためにこの世界に残る召喚獣の事だよ。まぁ、ユエがよかったらだけど……」
俺が元に戻る方法を探してくれるんだし、手助けできるんならするべきだよな。
元一般人、虎初心者の俺がどこまで出来るかわかんないけど、やれるとこまでやってやらぁ!
頷いて答える。
「ありがとう!ユエ!」
俺の方こそありがとな!レックス!
「これからよろしくな」
おうよ!
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