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子虎迷走記
第1話 迷子の子虎?
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「召喚!」

声が聞こえる。

暗かった空間が突如明るくなったと思ったら空中にいた。

俺はそのまま落ちる。

下にはスライムのような何かと白く長い髪に、背中に不思議な輪を浮かべた男がいた。

俺はスライムに落ちて跳ね返る。

男は慌てて跳ね返った俺をキャッチした。
突然出てきた俺に男は驚いている。

いきなり空から降って来たんだし驚くよな。
と思っていると、スライムが襲ってきた。

男は俺を抱えながら剣でスライムを斬り裂く。

もう一体いたスライムがその隙に攻撃しようとしている。

俺は咄嗟に男の腕から飛び出して頭突きをくらわした。

スライムは頭突きが効いたのか涙目で逃げていく。

戦闘は終了したようだ。

それと同時に男の持ってた剣は消え、長かった白い髪は短い赤髪になり、輪が消えた。
男はそれに呆然としていたが、庇っていた子供が駆け寄り泣き出してしまった。

俺はそれを見て、質問するのをやめた。

と言う訳でさっきから感じてる違和感を知るべく体を見ると……

……

「ギャウ!?」

全体的に白く、蒼い模様のふさふさの毛が生えた肉球付きの小さな前足が見えたうえに声が獣の声です。

さらに自分の体を見る。

蒼いたてがみがあったり、角が生えてたり、所々にアクセサリーが……

耳に金の輪イヤリングとか耳から生えた毛を筒のようなもので留めてたり、赤い紐の変わった首飾り、たてがみの下、首に縛ってある模様のある赤い布、尻尾の先にリングがはめてあったり……

って言うかこれ模様的に、虎か?

でも虎に角はない。
アクセサリーもしない。

何になったんだ俺……

呆然としてると二足歩行の眼鏡をかけたオレンジの猫が近寄ってきた。

「ミャー!」

ぺこりと頭を下げる。
挨拶してるらしい。

「ギャウ、ギャウウ?(えーと、よろしく?)」

「ミャーミャミャー」

「ガウ、ギャウウガウガ(すまん、お前の言ってる事が俺にはわからないんだ)」

「ミャー……」

猫は落ち込んだ。
何だかかわいそうになってくる。

「ギャウ、ガウギャオウ……(同じ動物なら、言葉が通じればよかったのにな……)」

「ミャー」

意思が伝わったのかは分からないが、猫は顔を上げる。

俺達が話してる間に、泣いてた子供は泣きつかれて寝てしまったようだ。
男は子供を抱えてこちらに来る。

「ごめんね、呼び出してそのままにしちゃって……」

「ギャウ、ガウウギャウ(気にするな、それより今は子供を寝かせてやってくれ)」

男は少し悩んで話しかける。

「……気にするなって言ってるのかな?」

おお、通じた。なんか感動だ。

っと
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