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エルジアの軌跡 ~国家立て直し~
土下座の前に・・・
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に当たり、同時にサンサルバシオン市民軍の陥落のためにISAF側は戦闘開始を延期を迫られることになった。




ISAF軍前線司令部 司令執務室
サンサルバシオン首都から50km後方に位置し、エルジアと全面対峙する三個軍団の内、前線軍団、約2万8千人の兵員たちの指揮統制を取っていた場所。
そこは今、動揺と沈黙に包まれていた。
エルジアの攻撃は的確に前線軍の重要施設を破壊し、空軍は40機の航空機、陸軍はその1割の戦力が戦線から消え、同時に通信施設の断絶で各地で連携が取れずに散発的な抵抗の後降伏など惨憺たる結果を残したのだった。
また、敵の作戦の全容が分かってきた。
相手が使ったのは、X-02通称「ワイバーン」。これは前進翼から速度が上がると後退翼に変わるという独自の形状で、高速度時は翼を畳んでステルスを重視して防衛線を突破し、爆撃時は前進翼で安定させて爆撃する。
兵装量や燃料搭載量を犠牲にする代わりに、F-22以上の格闘能力、F-117以上のステルス性、そして爆撃性能を持つ機体だ。こいつらが一気に重要施設を叩いた。
同時にエルジアが誇る空挺部隊及び特殊部隊による最前線の警戒部隊の攻撃に、まんまとかかった部隊は誘導されたTU-160の大編隊によって消し炭にされた上、側面から戦車連隊を中心とした打撃部隊に、前面は残存の歩兵部隊による攻撃により完全に進退見失った部隊が各個撃破されるという構図となったわけだ。
ISAFは負ってはいけない大打撃を受けた。同時にエルジアも打撃を受けている。
恐らく奴らの最後の力を持って我々に対抗してきた。その為恐らく敵の抵抗は一層弱くなっていると推測される。
内部でも戦争はもうやめるべきという派閥と、エルジアに今こそ突入するチャンスと主張する派閥がいがみ合うのだ。
だがそんないがみ合い関係なく頭を抱える・・・というよりも笑いしか出ない人物が居る。
ISAF前線司令軍団司令、ブイネス・ベルチャー、ISAF軍の貴重な生き残り将官として中将となり、また所属するFCU軍の強力な後押しもあって前線指揮という大命を背負っていた。勝てれば未来は明るく、50手前で大将、そして統合参謀総長に限りなく近い椅子に座れる可能性もあった。だがそんな未来は敵の襲撃と共に脆くも崩れ去る。
「全くもって私の人生は面白く、そして厳しいものだ」
作戦開始せずに大失敗に終わり、前線担当の報道陣に報道規制や各方面のお偉いさんに状況報告、そして現在も更に後方の前線軍総司令部の紛糾の結果待ちだ
「司令、少し休まれては・・・」
ブイネス以上に上からも下からも圧力かけられ疲弊している付の中佐が進言する。だがブイネスは首を横に振り
「そんなこと、君が許しても後ろの怖い老人方には通用しないさ」
彼が言うのはこの前線軍を引っ張るFCU軍大将やその
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