暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン-ゲーム嫌いの少女冒険譚-
それは、ゲームに触れる前のこと
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その日が私にとって日常と呼べる最後の日だったかもしれない。

「これで日課の作業も終了…これで今晩の夕飯に使う薪が出来たー。」

2022年11月5日、私は家で手伝いをしていた。と言っても、女の子なんかがやりそうにもない薪割り。最初やった時は斧が重くて辛かったけれども次第に慣れてしまった。後は畑作りとか田んぼを作ってみたとかこんなことを友達に言うと結構驚かれる。ここは都心に近いが緑が深く、「都会のオアシス」なんて表現がお似合いの場所だ。そこで私たち家族は、昔のような生活をしているちょっと風変わりな家族だ。と友達に言われるが、本当にそうだと自分でも思ってる。


「未希ー?薪割り終わったんだったら、いつもの置き場所に置いてちょうだい。後は夕飯出来るまでーーだいたい7時くらいまでかな。それまでは自由時間にしていいから。」

「分かったよ、お母さん。じゃあ、ご飯出来るまでの間ちょっと練習してくるから!」

そう、お母さんからの自由時間にしてよいとの許可が下りたので私は家の隣にある道場へと急いで向かった。薪割りなどとは違う、普段の練習をするためだ。


「やぁ!」

「せいやぁ!」

「はぁ!」

パシーン!、パシーン!と小気味よい音が響く。そこで私はひたすらに木刀を振るっていた。「剣道」ではない、「居合道」と呼ばれる古武術だ。剣道の派生先の一つだとか言われてるけれども詳しいことは私にも良く分からない。昔お祖父ちゃんに教わって以来これにずっとのめり込んでしまっている。だから中学高校でも居合一筋…という訳にもいかなかったので剣道部に所属していた。これでも全国大会のベスト8以上には入るくらいの実力を持っている。

「ーーーもうこんな時間か。もうすぐ夕飯だし後片付けしなきゃ」

そうこうしているうちに約束の7時がもう近い。早く後片付けをしないと夕飯の時間に間に合わなくなってしまう。私は大急ぎで木刀や練習道具を片付けることにした。




その日の夕食は父親がいつもより早く帰ってくるとのことだったので、いつもより豪華にすき焼きだった。お肉の美味さや自家製野菜に舌鼓を打っていたところ、父親が話を切り出してきた。

「なぁ、未希。〈ナーヴギア〉知ってるか?」

「ーー名前くらいなら知ってる。クラスの男子では随分話題になってるみたいだけども。」

父親は意気揚々と話してるが、私は余り興味が湧かない。私の中で苦手なものもいくつかある。その一つが、「ゲーム」だ。私はゲームが嫌いだ。何故嫌いか?と問われると、返答に困ってしまう。何でかは自分でも良く分からないが、何故だか嫌悪感を催してしまう。

「実はなぁ…そのナーヴギアを手に入れることが出来たんだ。明日お前暇なんだろ?VRMMOっていう現実に近いような感じが体験
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