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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の祭典篇
39.敗北の味
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の答えは変わらない。
「夏音に伝えといてくれ……晩飯までには帰るって」
彩斗がいつものように彩海学園の制服に着替えて玄関へと向かった。
当たり前のことだが、彩斗が歩く音しか聞こえない。
扉を開けてマンションの廊下へと出る。まだ陽が昇っていない時刻なため廊下には誰もいない。
その方が好都合といえば好都合だ。
彩斗がエレベーターホールへと向かう。
「どこに行く気なの、彩斗君?」
静寂を切り裂いたのはよく知る少女の声だった。
「ニーナといい、お前といい、なんで起きてんだよ……逢崎」
振り返るとそこには、彩海学園の制服を着ており、いつもの黒色のギターケースを背負っている獅子王機関から派遣された“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”の監視役の“剣帝”逢崎友妃だ。
「だってボクは彩斗君の監視役だからね」
はぁ〜、と大きなため息をつく。彼女に見つかった時点で振り切ることなど出来ないことは今までの経験でわかる。
だが、一応ではあるが言ってはみよう。
「……危険だぞ」
「そんなの今に始まったことじゃないでしょ。それに彩斗君はまた茶髪の娘が来たら手を出せないでしょ」
痛いところをつかれたものだ。確かに彩斗では茶髪の少女と戦うことは出来ない。
「それにそうじゃなくても彩斗君はボクの目の届く範囲にいないと他の女の子の血を吸うかもしれないからね」
「吸わねぇよ!」
「冗談だよ」
友妃の無邪気な笑顔を見ると一人で抱え込んでいたのが馬鹿馬鹿しくなってくる。
「一人で抱え込まなくていいんだよ」
まるで心でも読まれたような気がしてドキッとする。
「彩斗君が抱えきれないことはボクも一緒に背負うから」
友妃の柔らかで温かい感触が彩斗の手を包み込んだ。
「だからボクが抱えきれないことがあったら一緒に背負ってね」
いつもの無邪気な笑みだ。その笑顔に彩斗の頬が赤く染まり、さらにいつものように全体に拡ていく。友妃の頬はわずかに紅潮している。
「それじゃあ、行こっか! 雪菜たちにバレたら怒られちゃうしね」
友妃が彩斗の手を引っ張りながらエレベーターホールへと向かう。
「ああ、行こうぜ、逢崎」
「うん!」
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