敵or味方
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ら必死に敵対心の無い事をアピールする。
「ほう………言っておくが、中立も敵と見なすぞ…」
普段は優しい声なのに、この時のリュカの声は、腹の底へ響く恐ろしく重い声だった…
「み、味方だとも!オルテガを始め、お前等皆ラダトーム王家とは味方だ!」
ラルス1世の言葉に、周囲にいた家臣達も無言で一斉に頷いた…激しく何度も!
「う、生まれ来るワシの孫の父親として、ラダトームで暮らしてくれれば文句はない!そ、そうだろローリア!?」
「はい、お父様!私はオルテガ様がお側に居て下されば、他に何も望みません!」
大好きなオルテガと何時でも会える状態に、国家も王家も考えていないローリアは大満足な様子。
そんな国王親子を確認したリュカは、周囲で固まる家臣等を一瞥し、ラルス1世を投げ捨てると踵を返してアルル等の下へ戻って行く。
「どうよ…納得させたゼ!ワイルドだろ〜」
妻と娘を伴って、ドヤ顔のリュカ。
「何が『プランB』ですか…脅しただけじゃないですか!」
お疲れ顔のティミーがつっこむと…
「プランBの『B』は『暴力に訴える!』の『B』だ!」
「………か、母さんもマリーも、あんまり父さんの馬鹿な行動に付き合わないでくださいよ!」
「あらティミー…馬鹿だけど正しいわよ」
「そうよお兄ちゃん!極めつけの馬鹿だけど、お父さんは正しいのよ!」
母と妹の言葉に、ガックリと項垂れ俯くティミー…
「…ふふ…ふふふ…あはははは!」
しかしながら肩を振るわせて笑い出す!
気が付けばアルルやオルテガ…カンダタまでもが笑い出し、世界を救った勇者パーティー全員で大笑いしていた。
それを見て引きつった笑いをするのは王家と家臣達…
しかし先程のリュカが相当怖かったらしく、低姿勢で話しかけてくるラルス1世。
「あ、あのー…世界が平和になった事だし…国を挙げての祝賀会を催そうかと…思ってるんだけど…どう?」
「祝賀会ぃ〜………」
一気に不機嫌な顔になったのはリュカ…
「う、宴を提案して不機嫌になられたのは初めてだ!」
流石のラルス1世もリュカの態度に驚きを隠せない。
「だって…大丈夫なの?飲み物に睡眠薬を入れたりとか…嫁を攫ったりとか…そう言うのしない?」
「な、何を基準にそう言う事を言ってくるのか解らんが、そんな事をする訳がなかろうに!お前は今までどんな宴を経験してきたんだ!?」
今この世界で、リュカ達に危害を加える者など居はしない。
世界を創造した神ですら、恐れている男に対して、不埒な企てを立てる者は皆無である。
当初は皆が脅えながらの宴開始だったが、酒が入れば気分も変わる…
世界に平和が訪れた事に皆が喜び、勇者達に心から感謝し始める。
ラダトームの城下町でも、彼方此方で人々が祝いだし、その輪は町中に広が
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