SS:途中の思い出
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トなんかは未だに強く思う所があるみたいで、ユウキのいない時間帯にちまちま話をしに来ることがある。そこでなぜ俺をチョイスしているのかは分からないのだが、きっと彼女のアスナちゃんには見せたくない姿なのだろう。
「それでも、全部忘れられない思い出だよ。きっと忘れちゃいけないんだろう」
目を背けたいようなそれも、気が付けば自分の人生を構成する大切な要素なのだ。忘れてはいけないし、向き合っていった方がいい。
逃げられるものでもないのだから、一緒に連れて人生を歩んでいくのだ。
「僕も」
「ん?」
「僕も、その人が行きたい場所に辿り着けるよう一緒に祈るよ」
「そっか。それも良いと思うぞ」
剣から手を放して顔を上げたユウキが、ぽつりとそう言った。
真っ直ぐで凛々しい顔をしている。攻略組の連中と似たような、こうだと決断した時の顔だ。
彼女にもあるのかもしれない。目を背けたくなるような辛い過去が。何となく、そう思った。
――今日はこのへんで終わりだ。随分いろいろと話したから、そろそろ話が無くなって来たよ。
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