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『八神はやて』は舞い降りた
第4章 戦争と平和
第32話 滅びのバーストストリーム
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嬉しそうだった。
 その後、戦いは白熱した。
 距離を離そうと、砲撃を乱れ打ちするはやて。
 彼女と白兵戦に持ち込もうとするヴァーリ。
 どちらも致命的な一撃を与えることができず、千日手の様相を示してきた。
 ヴァーリは、相手を強敵と認め、予定になかった切り札を使うことにする。


『我、目覚めるは──』
(消し飛ぶよっ!)(消し飛ぶねっ!)

 それは覇の呪文。
 ヴァーリの声と重なって歴代所有者の怨念混じりの声が響く。

『覇の理に全てを奪われし二天龍なり──』
(夢が終わる!)(幻が始まる!)

『無限を妬み、夢幻を想う──』
(全部だっ!)(そう、全てを捧げろっ!)

『我、白き龍の覇道を極め──』

『『『『『『『汝を無垢の極限へと誘おう──ッ!』』』』』』

『Juggernaut Drive!!!!!!!!!』


 秘められた力を解放した白龍皇は、雨のように降りそそぐ砲撃をものともせず、急接近する。
 しかし、ある程度、距離をとることに成功したはやては、砲撃魔法の嵐の中で、詠唱を開始していた。
 ヴァーリが覇龍になったことで、彼女もやる気になっている。
 詠唱が完了したときは、ちょうど砲撃が鳴り止んだ頃――だが、ヴァーリは未だ追いつけない。
 

「滅びのバーストストリーム!!」
『Ragnarok』


 原作はやての最大魔法『ラグナロク』――彼女曰く滅びのバーストストリーム――を展開し、放つ。
 この直射型砲撃魔法は、効果の異なる3連撃を放ち、着弾と同時に周囲を巻き込み破壊をもたらす。
 強力な広域せん滅魔法であり、一撃で駒王町を廃墟にできる。
 それを、直前まで連射された砲撃魔法の影響で、ヴァーリが硬直した瞬間に放った。
 キノコ雲を量産し、土煙が晴れたときには辺りは、世紀末の様相を呈していた。





「まさか、ここまで強いとは思ってもいなかった。単純な力比べでさえ、ありえないほどの力だった――ちんちくりんのくせにな」

『しかし、本来の姿は、小学生にしかみえん。おそろしい女だ』

「……ぐっ!人が気にしていることを言わないでくれ」


 戦闘が終わり、いまは和やかに会話している。
 全力の戦闘中は変身魔法が維持できないため、はやては本来の姿だ。
 つまり、9歳女児にしかみえない。
 主が、ヴィータと愚痴り合っている姿を、シグナムはよく目撃していた。


 結局、ラグナロクを発射したところで、試合はお開きになった。
 あの砲撃の中でも、ヴァーリは無事だった。
 しかし、結界が耐えられなかった。
 はやては、この程度の模擬戦なら、変身魔法を解くまでもなかったなあ、と少し後悔していた。


「主はやて、そ
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