第4章 戦争と平和
第32話 滅びのバーストストリーム
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
嬉しそうだった。
その後、戦いは白熱した。
距離を離そうと、砲撃を乱れ打ちするはやて。
彼女と白兵戦に持ち込もうとするヴァーリ。
どちらも致命的な一撃を与えることができず、千日手の様相を示してきた。
ヴァーリは、相手を強敵と認め、予定になかった切り札を使うことにする。
『我、目覚めるは──』
(消し飛ぶよっ!)(消し飛ぶねっ!)
それは覇の呪文。
ヴァーリの声と重なって歴代所有者の怨念混じりの声が響く。
『覇の理に全てを奪われし二天龍なり──』
(夢が終わる!)(幻が始まる!)
『無限を妬み、夢幻を想う──』
(全部だっ!)(そう、全てを捧げろっ!)
『我、白き龍の覇道を極め──』
『『『『『『『汝を無垢の極限へと誘おう──ッ!』』』』』』
『Juggernaut Drive!!!!!!!!!』
秘められた力を解放した白龍皇は、雨のように降りそそぐ砲撃をものともせず、急接近する。
しかし、ある程度、距離をとることに成功したはやては、砲撃魔法の嵐の中で、詠唱を開始していた。
ヴァーリが覇龍になったことで、彼女もやる気になっている。
詠唱が完了したときは、ちょうど砲撃が鳴り止んだ頃――だが、ヴァーリは未だ追いつけない。
「滅びのバーストストリーム!!」
『Ragnarok』
原作はやての最大魔法『ラグナロク』――彼女曰く滅びのバーストストリーム――を展開し、放つ。
この直射型砲撃魔法は、効果の異なる3連撃を放ち、着弾と同時に周囲を巻き込み破壊をもたらす。
強力な広域せん滅魔法であり、一撃で駒王町を廃墟にできる。
それを、直前まで連射された砲撃魔法の影響で、ヴァーリが硬直した瞬間に放った。
キノコ雲を量産し、土煙が晴れたときには辺りは、世紀末の様相を呈していた。
◆
「まさか、ここまで強いとは思ってもいなかった。単純な力比べでさえ、ありえないほどの力だった――ちんちくりんのくせにな」
『しかし、本来の姿は、小学生にしかみえん。おそろしい女だ』
「……ぐっ!人が気にしていることを言わないでくれ」
戦闘が終わり、いまは和やかに会話している。
全力の戦闘中は変身魔法が維持できないため、はやては本来の姿だ。
つまり、9歳女児にしかみえない。
主が、ヴィータと愚痴り合っている姿を、シグナムはよく目撃していた。
結局、ラグナロクを発射したところで、試合はお開きになった。
あの砲撃の中でも、ヴァーリは無事だった。
しかし、結界が耐えられなかった。
はやては、この程度の模擬戦なら、変身魔法を解くまでもなかったなあ、と少し後悔していた。
「主はやて、そ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ