『第四十三話』〜次元世界探求記〜
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ソウルside
正直驚いた。
拓斗が誰かの為にあそこまでするなんて。
なのはとフェイトの特訓を引き受けたところまでは分かる。依頼として頼まれたのもあるが、拓斗は二人を気に行っているように見えるから。
だが、二人のトリガー(ヘキサ式以外ではデバイスだったな)にパーツを与えたことが信じられなかった。
軽く言っていたがあのパーツは拓斗が昔、長い年月をかけて造りだしたパーツだ。しかもあのパーツは最新型、拓斗が一番苦労した代物だ。
[……なぁ、拓斗]
「ん? どうしたんだソウル?」
[あのパーツ、渡してよかったのか? あれはお前がアイツのために……]
「いいんだよ、アイツはもういない………なら、今を懸命に生きる奴等に渡した方がパーツもお蔵入りするよりずっといいだろ?」
[拓斗……]
今まで、そんな考えをすることは全くなかったのに……
それだけ、あの嬢ちゃん達が大切な存在だというのか?
もしそうであるならば、嬉しい限りだ。ずっと、誰よりも近くで長い間……数百年見続けて来た俺としては。
まぁ、真実はどうあれ俺の為すべきことは唯一つだけだ。
「もうその話はいいだろ? はやての為に、一刻も早くアレを見つけないといけないしな」
[…あぁ、そうだったな。今度は何処に行く?]
「ずっと分身体に探させていたから探してない候補の世界は数えるくらいだからな………」
魂を誘う者として、【邪】の者を祓うのみ。
それが月夜の鎌、『ルナティック・ソウル』と死神――『月詠拓斗』の誓った宿命なのだから………
拓斗side
「っと…ソウル、此処は?」
[えっと……あった。無人世界『ハーミット』だな]
次元転移を終え、地に降り立ちながら聞いた俺の問いにソウルが答える。
「ハーミット………仙人?」
[他にも隠者や隠士とかの意味があるな。まぁ、そんなことはどうでもいいだろ?]
「それもそうだな、早速探すか」
俺はそう言って地面を蹴り、飛行を開始する。
そのときに周辺に『索敵複眼方陣』を忘れず展開する。その方が捜索効率が上がるからな。
ハーミットは無人世界なだけあって大地にある七割が森林やジャングル、残りの三割は草原や荒野が広がっていた。
森林からは数え切れない程の小さな気配と時々大きな気配を感じる。この世界に住まう唯一の存在、魔獣だろう。
[見事なまでに人工物がないなぁ……]
「そりゃそうだろ。ハーミットが無人世界になったのは魔獣の異常な繁殖力に強さが主な原因だ。こ
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