第二話恐怖の転入生
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憂いを秘めたような瞳に、俺はドキっとしてしまった。
血流が強まりヒステリアモードも強化された。
「まあ、そんな感じなんだな。あっ、そうだアラン。
教室で男子に何かを言われても誤解だから本気にすんなよ!」
なんとなくこの会話を続けるのはよくないと思った俺は無理矢理締めて、話題逸らしを使い話題も逸らした。
アランは「うん、なんの事だ?」とまだ聞いていなかったのか、首を傾げて不思議そうな顔を浮かべたがキリカは俺を見上げると、どこか真剣な眼差しを向けて。
「もし何かに追いかけられたら、絶対に振り向いて、相手を見ちゃダメだよ?」
そんなアドバイスをした。
2010年5月11日。午前8時40分。2年A組教室。
三人で教室に入る頃には、ちょうどチャイムが鳴る時間だった。
割と坂道で時間を費やしてしまったらしい。
「ホームルームの前に、転入生を紹介します」
担任の安藤先生がいつもの生真面目な声で教室に入ってきて、いつもと違う言葉を告げた。転入生と聞いて、俺は視線をドアに注目した。
安藤先生に促されてやってきた小柄な少女は……まるで日本人形のように綺麗な黒髪と白い肌で、いかにも『清楚!』な雰囲気を持っていた。
だが、どこかその顔には西洋の雰囲気もあるような気がして、なんとも言えない不思議な魅力を醸し出している。
身につけている制服は私立蒼青学園のものだ。
「蒼青学園から、両親の都合でこの学園に転入する事になりました、一之江瑞江です」
ぺこりと丁寧にお辞儀する仕草はたおやかで、その顔は怜悧と言える瞳と無表情なクールな振る舞いを感じさせた。
「座席は、窓際の……彼、一文字君の後ろにお願いします」
「わかりました」
安藤先生の言葉に従い、俺の方に歩みよってきた転入生。
朝にヒステリアモードにかかったことにより、ヒスりにくくなっているとはいえ、極力女子との接触は避けたかったが担任の指示なら仕方ない、と諦めて彼女が俺の後ろに座るのに了承した。
「よろしくな、一之江さん!」
挨拶くらいはしとくかと、礼儀で声をかけたが。
彼女はそんな俺をひと睨みしただけで、特に返事をする様子もない。
……人見知りするタイプなのか?
もしくは、レキみたいな無口キャラを通しているのだろうか。
どちらにしろ、あまり深く関わりたいタイプではないな。
そう思って前を向くと。
カタン、と後ろで席に着く音が聞こえた。
後ろに座る気配を感じながら何故か彼女の事が気になった。
彼女みたいなタイプは経験上直接関わるとロクな目にあわない。
だから彼女みたいなタイプと関わる時は誰か間に入れてワンクッション置こう。
とな
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