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101番目の舶ィ語
第二話恐怖の転入生
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ホームシックにでもかかったのか、アリアやその周囲にいた奴らの事を考えて落ち込んで気分をさらに悪くした俺が坂を上っていると……。
俺の眼前で動く女子の太ももが目についた。
あの綺麗な後ろ脚は……。

「キ、キリカ……」

「あっ、モンジ君、おはよう!」

昨日の夜、俺が珍しく苦に感じずに電話越しとはいえ会話ができたクラスメイトの二藤キリカが俺の呟きが聞こえたのか、くるりと振り返り朝から元気な笑顔を向けて挨拶してきた。

「ああ、おはよう、キリカ。朝から元気だな」

昨日の電話でも高かったがキリカのテンションは朝だというのにかなり高い。

「元気が一番だからねっ!モンジ君は眠そうだねっ!」

「ああ。今日の授業は睡眠時間に充てる……」

「あははは!あんまりサボッたらテストの時ピンチだよ?」

「……そういやテストとかあったな」

武偵高にもあったが、武偵高の場合は一般科目より専門科の試験の方が重要視されてたからほとんど聞く奴なんていなかった。俺は単位を取って一般高校に転入する為にそこそこ聞いてはいたが武偵高の授業レベルが元々偏差値50の学校だった事もあり、進学校である夜坂学園の授業にはついていけてないというのを昨日の授業中に痛いほど感じた。
(このままじゃ……留年かもな……最後の手段で遠山家に伝わる秘術があるけど日本国内での使用は禁止されてるしな……)

「どうしたの、モンジ君?」

キリカが心配そうな表情で俺を見つめてきた。

「何でもない……」

「そう?調子悪かったら言ってねっ!私でよければ癒してあげるからっ!」

「キリカたんを独り占めさせるものか!」

と、そんな会話をしていた俺達の間に割り込んできた男がいた。
同じクラスのアラン・シアーズだ。
金髪碧眼で長身なイケメンなのだが見た目はいいのに、性格がアホなせいで女子からは面白い人としか認識されていない。
つまり、見た目だけがいい三枚目、それがアランだ。

「おりょ、アラン君おはよっ」

「グッモーニン、キリカさん。今日も美人だね?」

「あは、ありがとうー!アラン君も、今日も素敵だよっ」

「はっはっはっ、いやあ、それほどでもあるよ!」

(あんのかよっ??)
ナルシストっぽく髪の毛をかきあげながら得意げにしているアラン。
こいつは本当に見た目はいいので、そういう仕草が絵になるのは確かだが。いかんせんアホっぽいせいで、微笑ましさの方が際立ってしまう。

「さっきモロにキリカたんって言ってたろ」

「そこは、当人を前にすれば切り替えるものだろ」

したり顔で言うアランを見て、キリカは目をキラキラさせて俺を見上げる。

「モンジ君も私がいない時はキリカたん、って呼んでくれたりするの?」

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