魔石の時代
第三章
世界が終わるまで、あと――4
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ら、最悪の結末を回避する努力を惜しむ訳にはいかなかった。
――世界が終わるまで、あと七日
4
「大丈夫、なのは?」
馬鹿げた質問である事くらい分かっていた。ベッドに沈み込むようにして寝転がるその姿を見れば、訊くまでもない事だ。もっと気のきいた言葉をかけられればいいのに。そう思う。
「うん。……大丈夫だよ、ユーノ君」
なのはの憔悴が激しい。ジュエルシードの封印で消耗した訳ではない。そもそも今日は見つかってもいないし――見つかっていたとしても関係ない。理由はもっと深刻だ。
「光お兄ちゃん……」
光は今日も姿を現さなかった。未回収のジュエルシードはあと六つ。目的の見えない光はともかくとして、あの少女達は焦っているはずだが。
(何で姿を見せないんだろう?)
彼女達は現時点で七つ、彼女達が登場する前に光が回収したはずの三つを合わせて一〇保有しているはずだ。つまり、およそ半分。それだけでも相当な力が出るはずである。
(目的を果たした……とは思えない)
なのは――ではなく、彼女が抱える本……つまり、リブロムを見やる。なのは程に露骨には現さないが、彼も焦りを覚えているらしい。御神光はまだ解放されていない。そう判断すべきだ。そのうえで、何故沈黙を保つ?
(あの人の目的が分からない。一体何を望んでいるんだ?)
最初は僕の事を排除しようとした。その次に、ジュエルシードの回収に協力してくれると言った。その理由はどちらもなのはだ。彼女の――彼女達の安全を確保するためだった。そう。元々彼はジュエルシードなど求めていなかった。つまり、
(求めているのは、あの二人……)
そう考えていいだろう。そして、光はいつだってなのはの安全を最優先で確保しようとしている。得体の知れない衝動に蝕まれながらも、彼が心変わりしていない事は言動の節々から伝わってくる。だが、それなら――
(あの二人に協力するのは……いや、自分でなのはを守らなくなった理由は何なんだ?)
光が僕や管理局にいい感情を抱いているとはとても思えない。今すぐに得体の知れない組織から妹を取り返したいと思っているはずだ。なのに、何故姿を現さない?
(自分に暴走の可能性があるから?)
それはあるかもしれない。実際に、暴走してしまえば光はかなり凶暴になる。それなら、いっそ管理局に預けておく方が安全だと考えていたとしても不思議ではない。
(いや、でもあの人がそんな事をするかな?)
光は管理局が安全だとは思っていないはず。それなら、もっと安全な方法を選択肢しそうな気がする。まぁ、それが例えばどんなものかと言われると困るが。
(いや、リブロムさんは光さんと同じ魔法が使えるんだ。なのはを守るための手段が全くないと言う事でもないんじゃないか?)
だからこそ、今もリブロムは
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