魔石の時代
第三章
世界が終わるまで、あと――4
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てくれたか)
だが、こうして効果が出たというのなら、自分の推論はそうそう見当外れではなさそうだ。ジュエルシードにまつわる一件が起こってから、初めて何かが上手くいったように思える。いや、そう考えると気が滅入るが――ともあれ、残り時間はもう少ない。このまま巻き返していきたいところだ。とはいえ、疑問の全てが解決したわけではない。
(しかし、それならこれは一体どういう訳だ?)
右腕は今も血を求めている。意識を蝕む殺意は間違いなく殺戮衝動の影響だった。それに関しては疑う余地はなく、また意味もない。だが、本当にそれだけか? 自分の中で燻ぶる殺意は、本当にそれだけが理由か?
(何かまだあるな)
まだ何かを見落としている。だが、元凶が殺戮衝動である事は疑いない。さらに言えば、違和感の正体に対する予想も大筋から外れているとは思えない。それなら、これからやるべきとは決まっていた。
(最後の――いや、最後の一歩前だが。ともあれ、次の課題はやはりどうやってプレシア・テスタロッサと接触するか、だな)
招待状となるジュエルシードの回収が捗っているとは言えないが……どんな形であれ、接触さえ出来ればあとは例えなし崩しにでも解決を見るだろう。ただ、最善の形を望むなら――最低限俺が俺のまま接触する必要がある。そのためには、あと数日以内に決着をつけなればならない。
――世界が終わるまで、あと八日
3
「調子はどう?」
「いいえ。ダメです、艦長。ジュエルシードの反応も光君達の反応もありません」
ジュエルシードはともかくとして。御神光の消息は未だに掴めない。確かに、目下アースラはジュエルシードの捜索を中心にしているが、それでもここまで完全に姿を隠せるとは、予想以上の難敵だった。いや、ただ単に予想が甘すぎたと言うべきか。
(それとも、もうこの世界にはいない?)
その可能性は低いだろう。自分の考えを即座に否定する。未回収のジュエルシードが残っているという事もあるが――何より、高町なのはが私達管理局の手の内にいるからだ。それに気付いていないとは思えない。彼は明らかに私達を敵視し、最大限に警戒している。それならば、彼女を『助け』に必ずやってくる。
(それが根拠というのは、かなりの皮肉ね)
御神光と敵対するか否か。その判断は今もつかないでいる。クロノ……管理局員への攻撃やジュエルシードの違法回収に関しては、管理局を知らない以上、御神光の責任を問う事は出来ない。つまり、それを理由に捕縛する事は出来ない……が、私達にとって未知のものであったとしても、魔法の力によってこの世界が脅かされると言うのであれば、超法規的処置だろうが越権行為だろうが、とにかく対処するしかない。
(正気の時に収容――せめて対話に持ちこむ事が出来れば、別の選択肢を見つけられるかも
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