魔石の時代
第三章
世界が終わるまで、あと――4
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初日にユーノから聞き出した最初の一つが見つかった場所は、そこから道を一本挟んで広がる防風林だった。そして、
「すぐ近くにもう一つあったんだよな」
その湾岸公園にもジュエルシードが一つあった。それも、本当に海に面した一画に。となると、あくまでも可能性の問題だが――
「ひょっとして、残りは海の中とかそんなオチ?」
ぽつりとアルフが呟く。まぁ、そう言う事だろう。
「……あんまり深いところに散らばってない事でも祈っとくかな」
いくら不死の怪物だろうが魔法使いだろうが、そうそう簡単に深海まで潜れない。
「あ〜…」
「あ〜あ……」
さて。その予想に従って海――それもそれなりの外海に捜索をかけたところ。
「大当たり、だね」
今まで見つからなかったのが嘘のようにあっさりと見つかった。それも複数。
「っていうか、発動してないのにこの反応って。下手すりゃ全部揃ってるんじゃ……」
長距離からの捜索なので、あまり詳しい事は分からない。しかし、今までにないほど強い反応を示している事から、複数個がそこに存在しているのは間違いない。
(残りは六つ、か)
この反応なら、確かに全部あっても驚きはしない。
(しっかし、何だって探すのは諦めた頃に見つかるかな)
フェイト達の手前、そんな事は口が裂けても言えないが――正直に言えば、管理局が来た時点でジュエルシードの回収はほぼ諦めていた。それに、今となっては手元に一〇個もあるのだ。これだけあれば、大体の事は出来るはずである。……まともに使いこなせるなら、だが。しかし、それにしても、
(やはり供物に近いか……)
懐に忍ばせたままの魔石に意識を向け、声にせず呟く。
プレシア・テスタロッサがどこまで使いこなせるかは未知数だが、自分なら――かつての自分なら、かなりの精度で使いこなせたはずだ。……残念ながら今の様ではとても望めないが。もし暴走でもさせたら、それこそ世界滅亡の危機だ。
(せめてもう少し力を取り戻せれば話は変わってくるんだがな)
力を取り戻すには、それこそリブロムが傍にいてくれなければ話にならない。今の状況ではとても望めなかった。
「早く行かないと!」
そうこうしている間に、フェイトが勢いよく立ちあがる。
「いや、それはいいんだが……。どうやって拾うんだ?」
「大丈夫。考えならあるよ!」
具体的には?――そう問いかける前に、フェイトは部屋から文字通りに飛び出した。
「やれやれ……。今のあいつじゃ、管理局に捕まえてくれと言っているようなものだな」
冷静さが失われている。それこそ、今のフェイトではなのはにも出し抜かれかねない。
「呑気な事言ってないで行くよ!」
アルフの怒声が聞こえる。
(ったく、何か微妙に嫌な予感がするんだけどな……)
だが、フェイトが
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