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その魂に祝福を
魔石の時代
第三章
世界が終わるまで、あと――4
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、ある意味では傲慢な欲望だ。
 アヴァロンが掲げる必要悪もあるいは献身的な理性と呼べるだろう。
 両者が交わる事はない。だが、それを分け隔てる事もまたできはしない。彼らを支えるその願いは――根幹にある覚悟はどちらも同じなのだから。
 例え互いに傷つけあう事でしか、それを伝える術を持たないとしても。




「やれやれ。さすがに分が悪いな」
 また一つ、未回収のジュエルシードが管理局の手に渡ったらしい。まぁ、厳密に言えば封印したのは例によってなのはだが。心眼で見渡しても周囲にクロノらしき気配はない。当然と言えば当然か。空間転移技術が確立している向こうにとって、わざわざ近くに身を潜めている必要もないか。しかし、それにしても、
「さすがに組織の規模が違いすぎる。どうしたものかな?」
 空間転移もそうだが、捜索に使用する機材の精度でもこちらを上回っている。自動車と自転車の競争のようなものだ。まともな方法では端から勝ち目がない。せめて異境か――あるいはリブロムがいてくれればもう少し喰い下がれるはずだが……。
「まいったな……」
 大して気のない様子で呟く。フェイトにはとても言えないが……正直に言えば、今さら慌ててジュエルシードを回収する気はすでに失せていた。元々俺個人としてはジュエルシードに興味はない。管理局相手に勝ち目のない争奪戦を挑むより、焦れたプレシアが何かしらの行動に出てくるのを狙った方がいくらか現実的だろう。もっとも、
(プレシアが手の届くところに出てきてくれるとは限らないか)
 管理局という名の余計な障害が伴うとしても、ジュエルシードを集めて手土産とした方が接触できる可能性は高い。それに、
(そうでなくても危険物だからな)
 ジュエルシードがこの街に残っている限り、桃子達や他の知人も危険に曝されているという状況は変わらないのだ。対処しない訳にはいかない。それに、
(素直にクロノが前線に立っているなら放っておくんだが……)
 なのはに負担をかけるのは望むところではない。それに、管理局の思惑が分からない以上、預けきりにしておく気にはとてもなれない。
(仕方がない。このまま続けるか)
 なのはを巻き込んで何がしたいかは知らないが、こちらの行動を狭めるという意味では充分な効果を発揮していると言えた。
(結局のところ、どちらの選択にも一長一短あるからな)
 苛立ちを誤魔化すべく、自分に言い聞かせる。こうして捜索を続ける事にも意味があるだろう。例えばこうしてなのはを見守る事も出来る。それに、運が良ければいつぞやのように先に回収できる可能性もある。回収を続けているという様子は……プレシアからフェイトへの心証を多少は良くするかもしれない。もっとも、その分管理局にはなおさら目の敵にされるだろうが。
(それに、もう一度リブロム
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