暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
少女始めました
[4/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
隣で同じ思いをしていたであろう、こっちは露骨に顔に出している従姉に口を開く。
「んで、そのメッセンジャーさんとは、ここのカウンターで待ち合わせでいいんだっけ?」
「え?……あ、あぁ、うん。そうだったね」
苦労して、人が作る壁の中をゆっくりとだが進み、厨房からの油脂で浅黒く変色したカウンター席に辿り着いた。これほどまで賑わっているというのに、カウンターは人が少なく、どことなく静かだ。おそらくそれは、この店が狩り終わりの一杯を飲むプレイヤーパーティーを狙って作られているからだろう、とレンは適当な予測をつける。
よくは知らないが、個対個がその気になれば可能であるALOとは違い、GGOではソロプレイヤーは少ないのではないだろうか。実際、先程大通りですれ違うプレイヤー達の殆どは最低でも二人組を構成していた。
とりあえず何か頼もうかと卓上のメニュー表を取り上げるより早く、すぐ隣から声が上がる。
「お前達が、レンとユウキか」
「「――――――ッッ!」」
気が付かなかった。
気配が薄いとか隠れていたとか、そういうチープな次元ではない。その男は、瞬きした一瞬の間に隣席に音もなく座っていた。
男、とは言っても、声の感じからの推測だ。都市部での戦闘に特化したものだろうか、コンクリートみたいな灰色のフーデッドコートのフードを目深にかぶり、さらに俯きがちだ。顔の委細など判るはずもない。武器はと目線を落とすが、コートが身体全体をすっぽりと覆っているため判別不可能。
声もなく固まっている二人に対し、聞こえなかったと判断したのかその男は言う。
「もう一度訊く、お前達がお館様から密命を受けた者か」
お館様?とレンとユウキは顔を首をかしげ、やっと眼前の男がシゲクニの言っていた人物なのだと気が付いた。
「え、えぇ。えと、あなたがボク達に何か授けてくださるんですよね?」
不気味な感じは拭えないのか、レンより男にほど近いユウキが若干引き気味な言葉で尋ねる。
回答は行動で返された。
カウンターの上をスーッと滑ってきたのは、無骨な茶封筒。しっかりと糊付けまでされている代物だ。
「これは?」
レンが尋ねるが、男は彫像のように固まって答えない。開けて中を見てから言え、という事だろうか。ふむ、と鼻息一つレンがべりべりこじ開けてみると、中からは二枚の薄っぺらな紙切れが滑り落ちた。
茶封筒から出たにしては驚くほどカラフルな長方形の紙だ。そこには――――
「「船上パーティーの………チケット?」」
豪華客船の写真もついている。この紙切れはどうやら、金持ち達が集まってパーティーでもしようか、みたいな金の無駄遣いとしか思えないほどの大きな船上パーティーの招待用チケットらしい。
そこまで
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ