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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
少女始めました
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男が、突如として走り寄って来た。

「は、初めて見たよ……、そのアバター…。う、噂には聞いてたけど………ひょっとしてFL1300番系かい!?」

「………………………………」

「………………………………」

ユウキは、何でこんなメンドくさい時にメンドくさい事するかなー、といった顔で。

レンは正真正銘、もうこれ以上何も言わないでクダサイみたいな顔で。

Fは分かる。女性(フィメール)ということだろう。数字はその種類か。

口に出すのも嫌々ながらも、それでも一応否定しておかねば何か色々ダメになりそうだったので、レンは膝を抱え込みながらボソボソ喋る。

「男だよ、僕」

「あ、あはは、ホントなんです」

二人の少女(一人♂)の言葉に、今度は男がしばし絶句した後、先刻に倍する勢いでまくし立て始めた。

「じゃ、じゃあ………それ、あの都市伝説のML9000番系かい!?す、すごいな……!十メガ出そう!売ってくれ!ぜひ売ってくれ!!」

「え!?買ってくれるの!?」

「こら」

眼の色変える少年の頭にチョップをかまし、ユウキは身を乗り出すようになっている男に向き直る。

「ごめんなさい。ボクもこの子も、初期キャラじゃなくてコンバートなんだ。悪いけど、お金には替えられないかな」

「そ……そうか…………。ま、気が変わったら連絡してくれ」

男はそう言うと、透明なカード上のアイテムをレンに押し付けてきた。キャラ名や性別、所属ギルド名などが記されたそのカードは、眺めているうちに発光、消滅してしまったが、おそらくシステムウインドウ中のアドレス帳か何かにデータが追加されているのだろう。

名残惜しそうに立ち去る男に、レンがそういえばという感じで言葉を発した。

「ねぇ。女性()男性()は分かるけど、Lって何?」

「あぁ、ロリってことだよ」

ブッ飛ばすぞこの野郎。










数分後、なんとか気を持ち直した少年を引きずるようにしてユウキは歩いていた。彼女も彼女で、すれ違うプレイヤー達からの視線が痛い訳ではあるが、少女はそこんところが鈍感であった。

「ほーらー、レンー。シゲさんの言ってた場所に行くよー」

「もーやだー、帰るー」

………訂正、あんまり持ち直してなかった。

ズルズルという音を伴いながら歩く両者の向かう目的地は、黒峰重國に事前に言われたとある酒場である。どうやらそこに重國の手の者がいて、そこで装備に関する融通をしてくれるらしい。

どんなMMOでも、初心者(ニュービー)熟練者(ベテラン)から過剰な援助を受けるのは決して褒められた事ではない。この世界にはゲームを楽しみに来たわけではないが、それでもゲーマーとして譲れな
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