Fifth day
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戦いになると、この時誰が予想しただろうか。
「二人とも、私の後ろに下がって下さい。この寝取り男、実力だけは本物ですから」
時臣と雁夜を自分の後ろに下がらせる。ちなみに時臣の頭は、ランスロットが現れたあたりから思考回路がストップしており、一方の雁夜は、このランスロットが誰なのか必死に思い出そうとしていた。
「さあ、いくぞ!」
ランスロットの内心はさて置き、セイバーは剣を振りかざし間合いを詰める。ちなみに、彼女たちが剣を取り出した時に、商店街にいた人々は危険を察知したのか退避済みだ。
セイバーの不可視の剣、そしてランスロットのマスターから渡されたあんまり使い物にならなさそうな竹刀が重なろうとした時。
「我のセイバーに剣を向けるとは、いい度胸をしているな。この狂犬よ!」
自信と威厳に満ちた声。金髪と黒いライダースーツを着ているギルガメッシュの登場だった。
「え、英雄王?!」
考えもしなかった人物の登場に、ランスロットとセイバーの声がユニゾンする。どっちかっていうと、剣を向けているのは自分の王のほうです、とは言えずにランスロットは自分とセイバーの間に立つ男に視線を投げかける。
「久しいな、狂犬。また、性懲りもなく、セイバーのストーカーか?」
「貴様だけには言われたくないぞ、英雄王! 十年たっても王をつけ回して、羨ましい、じゃなくて」
ポロリと漏れた本音に、セイバーの堪忍袋の尾が切れたようだった。この湖の騎士、死すべしと顔に書いてある。
「英雄王、やってしまえ。そこのNTR男は、私の部下でも何でもない。ただの某・スロットだ!!」
「ふむ、我の可愛いセイバーの頼みを聞いてやりたいのは山々だが、我はお前たち二人の戦いを長引かせるためにここにいるのだ。さて、ここはバトルロワイヤルといこうか?」
にやりと彼が笑うと、二人は緊張した面持ちでギルガメッシュを見る。彼の後ろに、金の亜空間が現れた瞬間。今まで、セイバーの後ろに隠れていた時臣が飛び出した。
「ギルガメッシュさん、ダメです」
彼の手を両手で握り、その攻撃を収めようとする。
「……何だ、時臣」
自分の行動を止められたことか、はたまた他の理由か。ギルガメッシュは不機嫌そうな声で彼を呼ぶ。だが、それに臆することなく時臣は続ける。
「こんなところで、三人が戦ったりしたら、大変なことになっちゃいます。せっかく、素敵な商店街なのに、壊れたりしては大変です。それに、士郎さんにも迷惑かかっちゃいますから、ダメです」
揺れる彼の瞳を見て、ギルガメッシュは宝具を射出するために上げた手を下す。戦いが一時中断したかと思われると。
「あ――! セイバー!」
すたすたと商店街の真ん中を歩いてきたのは、衛宮家の黒猫。先ほど食べ物を求めて旅を始めたばかりのクロだ。
「クロ。留守番
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