暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/insanity banquet
Fifth day
[7/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
すのは後回しとか何とか言って……。というか、あなた学校はどうしたんですか?」
 この時間、恐らく授業は終わっているだろうが、ホームルームなどは残っている。それなのに、自分とパスを繋いで話している彼女は何をしているのか、と思ったため聞いたのだが、それは今の彼女にとっては色々と火に油を注ぐものとなる。
『ふーん、そう。マスターの命令よりも、生前の王の方が大切だって言うのね? それもそうね、あなたはわたくしのことを、ブラック企業呼ばわりしていましたものね』
「いえ、あのですね。マスター?」
『あぁ、それとも。前回の聖杯戦争のマスターのことが、今のマスターであるわたくしよりも大事だと? どちらにしても、今日の夜あなたが帰ってくる家は無いわ!!』
 帰ってくる家は無いと、まるで反抗期の子供が親に怒られるときに言われるような言葉に、ランスロットは待ったをかける。
「マスター、色々と誤解が。いえ、半分以上本音なのですが!」
『苦手なもの本音トークとか言って、そこまで言うのね。よーく分かったわ、バーサーカー。ただの命令に従わないのなら、無理やりにでも従わせるだけよ!』
 彼女が何をしようとしているのか、セイバーとランスロットが瞬時に理解する。別に使い方は間違っていないのだが、この状況で使われるというのもなかなか困る。だが、そんな思いも届かず、怒りで我を忘れている彼女は怒鳴りながら命じる。
『令呪を持って命ずるわ。バーサーカー、目の前にいる騎士王たちを、はっ倒しなさい! 出来ずに帰ってきたら、今日は締め出しよ!!』
 彼のマスターの怒鳴り声が、その場にいるセイバーたちにも聞こえる。ついでに、パスを切る時のブツリという音までしっかりと聞こえてきた。
 沈黙が四人の間に流れる。それを破ったのは、令呪による無茶苦茶な命令を受けてしまったランスロットだ。
「お、王よ。ええっと、その」
 彼には戦う意思は無いのだが、令呪によって無理やり剣を彼女たちに向けさせられる。それを見て、セイバーは深くため息をつく。彼と再び会うときは、もっと殺伐したものを想像していたのだ。それがこんな形になってしまったのは少々気が抜けるが、これはこれでありかもしれないと思っていた。
「まぁいい、歯を食いしばれランスロット」
 自分の剣を構えている彼女にツッコミを入れる。
「王、根本的な解決になっているとは思えないのですが」
「あなたが、再び私に会いに来てくれた。私は、それだけで嬉しい。こうして、話すことが出来るのだから」
「王よ、エクスカリバーを振りかざしながらいう言葉ではない気がするのですが」
「ランスロット、とりあえず、エクスカリバー一本いっとく?」
「いっときませんよ!!」
 じりじりと近づいてくるセイバーと、何とかして逃げ出したいランスロット。二人の戦いが三つ巴の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ