Fourth day
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を漏らした。
「友達、いい響きね」
「え?」
彼女は心底楽しそうに笑っていた。眉を下げて、花のような笑みを見せる彼女。
「仲良くしましょう、サクラ」
そう言うと、右手を差し出す。差し出されたその手の意味を理解し、桜も手を握り返す。女性の手にしては、しっかりとした物だった。その手は、士郎のような守る側の手のようだと、桜は考える。
その後、士郎が倒れたということを聞き、血相を変えて保健室にかけていく桜を、シヴァは珍獣でも見るかのような視線を向けて楽しそうにしていたのは、別の話である。
――ということがあったんですよ。遠坂先輩。
――外人って怖い。
――人のことを猛獣を見るような目で見ないで頂けるかしら。猛獣なら、あなたの方がお似合いよ。
――ちょっとそこに直りなさい。大丈夫、痛くしないから。
――結構ですわ、先輩。
――凛、一般人の人通りもあるのだから、そういうことも考慮にいれたまえ。見られでもしたら、大変だろう。
――それでも、抑えきれない時があるのよ……アーチャー。
――あ、ほら。着いたぞ。宝石をしまってくれ、凛。
――それでは、わたくしはここで。また明日、サクラ。
――うん、またね。シヴァ。
彼女たちの会話は、士郎の鼓膜を揺らす。先ほどよりもはっきりと聞こえてきた声は、彼の覚醒が近づいてきている証拠だった。
桜たちが完全に衛宮家の門をくぐり、かなりの距離を取ったことで彼女は先ほどまで見せていた柔らかい表情を消す。そして、自分の後ろにある気配に声を掛けた。
「セイバー」
その名を呼ぶと、黒い粒子が集まり形を成していく。
「はっ、マスター」
現れたのは、黒のゴスロリドレスを纏い、その両手にドーナツを握っている黒セイバー。彼女は、黒セイバーの姿に嘆息するが、すぐにはっきりとした声で彼女に命令する。
「衛宮士郎を監視しなさい。それと、あの転生者の少年を殺すのは後回し。昨日と関係して、少し気になることが出てきたから、ここであの子供に余計な手を回して、衛宮士郎から目を離すわけにはいきません」
「了解した」
黒セイバーは、彼女の言葉に一度ドーナツを食べる手を止める。そして、真っ直ぐ彼女を見つめて答えた。それを満足そうに見て、彼女は呟く。
「相変わらず、姑息な手を使っていること……。よほど、わたくしに邪魔されたくないと見えてよ。まぁ、もちろん今回もぶち壊してあげるけれど」
くすりと忍笑を見せると、彼女は踵を返して歩き始める。もふもふとドーナツを口に運びながら、黒セイバーはその後を追う。
「時にマスター、今日の夕飯は……」
彼女に呼ばれた時から気になっていたことを、黒セイバーは尋ねる。彼女は黒セイバーの手の中のドーナツを無言で見つめる。
「そうね……バーサーカーに買い
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