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Fate/insanity banquet
Fourth day
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パンを手に取り、慎二に殴りかかる。
「おわああっ?! 桜、いきなり何するんだよ!」
 咄嗟に雁夜から手を離し、その一撃を避ける慎二。慎二の手から離れたことで、桜は雁夜を抱きとめる。
「大丈夫、雁夜君。私が遅くなったから、こんなことになってごめんなさい」
 桜の胸に押し潰されている雁夜は、何か言いたげにしている。だが、押し潰されているため、もごもごと動くことしかできない。桜は慎二を睨みつける。
「兄さん、見損ないましたよ。前から、見損なっていましたけど、今回はもう許すわけにはいきません。私の大事な弟に……。覚悟は出来ていますよね?」
「ちょっと待てよ、桜。いや、待ってください、お願いします」
 先ほどの一撃が自分にクリーンヒットしていたら、絶対にヤバいことになっていた。桜の一発を防がねばという一心で、彼は弁明を試みる。だが、彼女には届いていないようだ。
「何ですか。私は、兄さんが女の人以外でもいいということにも僅かながら衝撃を受けてるんですよ。まさか、小さい男の子まで……」
「だから、勘違いしてるんだよ! お決まりのパターンに完全に入っちゃってるんだよ!」
「最初から屑だとは思っていましたが、小さい男の子に手を出すほど屑だとは思っていませんでした」
 一向に自分の話を聞きそうにない桜にしびれを切らした慎二は、声を荒げる。
「だから、人の話を!!」
 聞け、という前に桜は自分の後ろに立つライダーに視線を送る。
「ライダー」
「えぇ、サクラ。久々に真っ向から慎二をぶん殴れるので、日ごろの憂さが晴れます」
 清々しい笑顔で、ライダーも前に出る。二人がポキポキと指を鳴らして近づいてくるのを見て、「あ、これ詰んだ」と自分の死を覚悟した慎二だった。

「一緒に夕飯作ってたんだ。まぁ、殆ど俺がやったんだけど。お姉さん、疲れて帰ってくるだろうからってお兄さんが」
 二人からの制裁、という一方的な暴力を受けた慎二が雑巾のように丸まっているのを横に、雁夜と桜は夕食の準備を進めている。桜の胸から解放された雁夜は、さきほどの慎二の行動を説明する。
「え……?」
 思いがけなかった事の真実に目を丸くする桜。雁夜は続ける。
「俺が出来るっていうのに、横から口出してきてたんだよ。お兄さん、えみやっていう人のことで、お姉さんは頭が一杯だろうからって言ってたよ」
「兄さん……」
 ただのワカメだと思っていた兄が、ほんの少しでも自分を気にかけてくれた。それが、くすぐったいようで、自然と微笑みがもれてしまう。そんな桜に、思い出したように雁夜が付け加える。
「それと、料理が出来る男子はモテモテへの一歩だとか何とか言って、俺にやり方教えろとか言って来たけど」
 それを聞いた瞬間、桜の表情が凍り付く。あ、これ言っちゃまずかった、と雁夜が思った時には、桜
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