Fourth day
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んだ」とか言っちゃうし。
兎にも角にも、彼はそれを視てあることを誓った。自分は、あのマトウカリヤにはならない。まぁ、なろうとしても、彼が執着した遠坂葵という人物は自分の前にはいないのだし、なれる気はしないが。それでも、彼が自分の家を、一人の恋敵を憎むようなことは自分はしない。もし彼らに出会ってしまったら、笑顔で笑いかけてやるのだ。あのマトウカリヤは理解できないような笑顔で。
そんな雁夜の思惑は、ここ数日で現実となってしまったのだが。
ガチャリと扉が開く音が聞こえる。間桐の家は広いが、人は数人しかいなく、部屋も閑散としている部屋が殆どのため、家の中の音は伝わりやすい。今の感じからして、玄関のドアが開いた音だと雁夜は判断する。自分の部屋のドアを開け、廊下に出る。そして、玄関を見渡せる踊り場にてってと小走りしていく。その間に、現赤んから入ってきた人物の声がする。
「桜、いるのか?」
「……誰だろ」
聞き覚えの無い声が、自分の知る名前を呼んだことで、雁夜は疑問符を浮かべる。この家にいるのは、桜、ライダー、臓硯、アサシンの四人以外は知らない。それであれば、今桜の名前を呼んだのは誰なのだろうか。
踊り場に着き、そこから玄関を見下ろす。そして、そこに立つ一人のワカメに声を掛ける。
「お姉さんなら、まだ帰って来てないけど」
「ん? お前……誰だよ。何、我が物顔でうちにいるわけ?」
訝しげに見つめられ、言葉に詰まる。
「……」
なんて説明しようかと考えるが、それ以前に自分が彼のことを何も知らないことに気が付く。まずは彼の名前から聞こうと思い、雁夜は玄関へ降りて行った。
桜は彼女のサーヴァントであるライダーと共に、間桐の家に帰って来ていた。
「結構、遅くなっちゃった。兄さん、もう帰ってるかな」
「慎二なら、数週間放置していても、乾燥ワカメに変化するだけだと思うので大丈夫ですよ」
表情を一切変えずに言うライダーの言葉に、桜も頷く。
「うん、それは分かってるんだけど、雁夜君が心配だから」
慎二ではなく、あくまでも雁夜のみの心配と言ったところだ。彼女たちが台所の扉に近づいた時、中から何か声が聞こえてきた。
「やめろっ、何してんだよ」
「うるさいな、僕の言う通りにしてればいいんだよ」
「ふ、ふざけんな。あぁっ、ダメっ!!」
その声が、自分の義兄である慎二と、義弟である雁夜のものだと気付いた瞬間、桜はその手にフライパンを構える。嫌な予感がし、桜は速攻で扉を開ける。そこにいたのはやはりというか、雁夜の襟元を無理やりつかんでいる慎二と、それを振り払おうとして頬を上気させている雁夜の姿があった。
その様子に息を飲んだ桜は、無言で二人に近づいていく。
「兄さん、死刑です」
語尾に黒いハートマークを付けた彼女は、フライ
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