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Fate/insanity banquet
Fourth day
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に、士郎はこちらこそ、と答えた。

 最低限の物しか置いていない士郎の自室は、布団を二枚敷いても随分と余裕があるものだ。自分は左側、時臣は右側に寝ることにして、二人は布団に潜り込んだ。
「誰かと一緒に眠るのって、すごく久しぶりです」
 少し嬉しそうに言う彼を見て、士郎は頬をほころばせる。
「俺もそうだよ」
 こんな風に布団を並べて眠るのは、切嗣が健在だったころ以来かもしれない。大勢で雑魚寝をしているのとは違う、どこか安心できるこの感覚はいいかもしれないと士郎は感じていた。
「士郎さんは、その、夢は、怖いですか?」
 時臣の窺うような声で、突然、自分に投げかけられた質問に士郎は少し考える。生々しい夢での描写は、気分のいいものではない。だが、怖いとは少し違う気がする。
「怖くはない、と思う。でも、悲しい夢なんだ」
 士郎が答えると、時臣はゆっくりと話していく。
「僕も、繰り返し見る夢があります。その夢は、怖くて、押し潰されそうになる。そんな夢……」
荘厳な気を持つ教会に、自分が一人で立っている。誰かに呼ばれたような気がして振り返ろうとすると、心臓に痛みを感じる。痛みによって歪んでいく視界の中で、眩しいほどの金がうっすらと映る。夢はいつもそこで終わっていた。もちろん、朝起きてしまえば心臓の痛みなどない。不思議な夢は、決まって彼が不安を抱えながら床についた時に見るものだった。
 夢を思い出した時臣が黙ってしまったのを見て、士郎は保健室で一成が口にしたフレーズを彼に向けて言う。
「でも、夢は現実にはならない。夢は、夢でしかないから」
 士郎の言葉で、緊張して張りつめていた時臣の空気がいくらか柔らかくなるのが分かる。
「そうですね」
 彼が短く呟くと、再び沈黙が訪れる。それは息苦しい物では無かった。
「あの、手を握ってもいいですか」
「うん、俺からも言おうと思ってた」
 布団から左手を出し、時臣の布団に近づける。彼の小さな右手を見つけると、そっと握る。
 暖かい。
誰かの温もりは、人をここまで安堵させるものなのだ。
 その夜、士郎は夢を見ることは無かった。ただ、温かい存在に守られる。そんな感覚だけが、彼を包んでいた。


?

 間桐雁夜となった少年は、以前と同じ学校に登校していった。この家に引っ越してきても学区が変わらなかった、というのは彼にとって幸いなことだった。学校側には、彼が養子となったことは伝えていない。雁夜のその容姿はただでさえ目を引くものだったし、以前の家庭環境が良いとはいえないものだったことも、面倒なことに
 家に帰宅し、ランドセルを自分の部屋に置きに行く。大きなこの間桐の家で自分に割り当てられた部屋。
「ここが、かつてのマトウカリヤの部屋だった場所……」
 殺風景な部屋だ。ベッドと机、小さな
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