Fourth day
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がら凛が尋ねる。
「で、士郎。その寝不足の原因、分かってるの?」
学校で一成と話したことを質問され、士郎は答える。
「ここ四日ぐらい見続けてる、夢が原因かな」
「夢ですか?」
セイバーに聞き返され、士郎は頷く。
「誰かの生前の記憶。前、セイバーの記憶を見た時みたいな感じなんだ。すごくリアルで、眠ってる気がしないんだ」
眠っている気がしない、という言葉にアーチャーが口を開いた。
「レム睡眠によって、脳が眠っていない状態が続き、限界を迎えたということか。全く、夢ごときで倒れるとは軟弱だな」
「……」
否定したいが否定できない。恨めしそうにアーチャーを見るが、彼は素知らぬ顔をしている。
「誰かの記憶……。リンたちが出会った、新たに現界したサーヴァントの影響でしょうか」
悪影響を及ぼすとすれば、それ以外の原因が思いつかない。だが、その仮説には決定的な穴がある。
「それも考えられなくはないけど。士郎がマスターじゃないから、可能性的には低いと思うわ」
凛たちが考えている中、士郎の視線はテーブルの上で丸くなっているクロに注がれていた。黒セイバーと対峙した時に、自分と時臣を守るように現れた存在。その存在は確かにこの猫の中に存在している。だが、自分を守ると言った存在が自分に不利なことをするようには思えない。そうなると、原因は別にあるのだろう。
「まぁ、原因も大事だけど、対処も考えなきゃね」
どうしようか、と考えていると毛繕いをしていたクロがするりと士郎の膝の上に乗る。
「対処法なら、士郎が誰かと一緒に眠ればいいのだ」
ぴんと耳を立てて、自信に満ちた声で続ける。
「さっきその一成とやらがそばにいた時は、夢を見ずに眠れたと言っていただろう。誰かと一緒であれば、見ずに済むのだ」
「たまたまっていうことは無いの? そんな簡単に夢を見なくなるなら、それは手軽でいいと思うけど」
あまり信じられていない様子に、クロは心外だというように続ける。
「クロはシロウのことで嘘をついたりしないのだ。シロウが倒れて、あったかいご飯が食べられなくなるのは困るのだ!」
どうやら本気らしいということが、クロの必死さから伝わってきた。彼もセイバーと同じように、おいしいご飯が生命線のようだ。
そして対処法が見つかったのならば、誰が士郎と共に寝るかという問題が生まれる。同じ男性のアーチャーは、黙秘によって拒否している。セイバーと凛は、年頃の女性という問題が付いて回る。そうなると選択肢は自ずと一つだけになる。
「それじゃあ、僕が一緒に寝てもいいですか?」
自発的に時臣は名乗りを上げた。
「士郎さんほどじゃないんですけど、ちょっと僕も緊張して眠れなくって。士郎さんと一緒だったら、よく眠れる気がするんです」
いいですか、と首を傾げて尋ねる彼
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