Third day
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「また、あの夢……」
目を覚ました士郎は呟く。まるで自分が体験しているかのような現実味を帯びた夢を見ていたからか、頭はまだぼんやりとしている。
夢に出てきた少年は、この前の夢と同じように年相応とは言えない憂いを持っていた。そして、あの女性から出される謎かけをスラスラと解いていく姿。それは、長い時を生きている賢者のようにも感じられた。
「どこかで会ったこと、あるような。無いような……」
そう呟くと、昨日は自分の布団の上に寝ていたクロがいないことに気が付く。もう起きてしまっているのだろうか、と思い布団から抜け出す。冬のひんやりとした空気が、布団から出ることでさらに強く感じられる。
時計を確認すると、時刻は七時四十五分。昨日よりは早いが、通常の起床時間と比べると遅い。急いで着替えを済ませて襖を空けると、ふわりと美味しそうなにおいがしてきた。今日は桜が間桐の家に戻っている日のため、朝食を作るのは自分だ。しかし、この時間まで起きれていないと、恐らく凛やアーチャーが作ってくれているのだろう。顔を洗った後は、まず自分の代わりに朝食を用意してくれた人物にお礼を言おうと士郎は思った。
「おはよう」
キッチンに立っているのは、やはり凛とアーチャーの二人だった。士郎のエプロンを付けている二人は、彼の声が聞こえると振り返る。文句言いたげな表情をしていた凛は、士郎の顔を見るとその表情を変えた。
「士郎、大丈夫? あんまり、顔色良くないけど」
「え?」
予想していなかったことを言われ、戸惑ってしまう。確かに、スッキリと目覚めた訳ではないが、そこまで具合が悪いわけではない。今の自分は、他人に指摘されるほど酷いのだろうか。士郎が戸惑っていると、凛が続ける。
「ちょっと青白いっていう感じよ。ねぇ、アーチャー?」
「そうだな。完全な健康体には見えないな」
特に皮肉は付け加えず、アーチャーも淡々と答えた。他人にここまではっきりと言われると少し、自分でも不安になってくる。だが、風邪のような症状は無い。なんと答えようかと迷っていると、凛が口を開く。
「ま、具合悪くないならいいんだけど」
凛はそう切り捨てるが、その瞳はどこか心配そうだ。
「あぁ、悪くは無い。と、思う」
彼女を心配させまいと思って答えたのだが、何とも頼りない答えになってしまった。
「自分の体調管理くらい、ちゃんとしてもらいたいものだな」
やれやれと肩を竦めるアーチャーむっとするが、ここで余計な体力を使うのも勿体ないため、何も言わずにいた。すると、士郎のその反応を珍しそうに彼は見ていた。彼女は食器棚から茶碗を出しながら言う。
「セイバーには、ご飯出来る前に新聞取ってきてって頼んだの。でもちょっと遅いから見てきてくれる?」
士郎は頷き、まだ今日顔を合わせていない二人のことを
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