Third day
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たく気にしていないようで、やれやれと首を振りながら言う。
「リン、自分が着てもお粗末になるからって、クロにあたるなよ」
「ぶっ飛ばされたいの?!」
凛に怒鳴られたことで、クロは首を竦める。それを見て更に火が付いたのか、凛はクロを指さしながら全力で叫ぶ。
「大体、なんで冬なのに水着なの?! 見てるこっちが寒々しいわよ!」
「そうですよ、せめてワンピースの水着にしてください」
凛の言葉に桜も口を挟むが。
「そういう問題じゃないっての!」
と、どこかずれていた彼女の言葉は、凛によって一刀両断されてしまう。しつこく言われたためか、クロはしょうがないと言い指を鳴らす。
「仕方ない、これでもう文句は言うなよ」
瞬きをすると、黒のビキニの上に白のバスローブを羽織っている。肌の露出が減ったためマシになったような、かえってその組み合わせだと悪化しているような。
「何で、バスローブ……。普通の服を着るっていう考えは無い訳?」
呆れを通り越して完全に見下している凛の声。クロは、それを感じると、キリッと表情を引き締めて口を開いた。
「クロはレプリカだと、リンが言っただろう。クロの感覚は全て、記録として伝えられる。だからクロは、直接は暑いとか寒いとか感じない。クロの素材が寒い場所にいて、冷たくなっているという情報だけが、クロに伝わるのだ」
いきなりつらつらと話し始めたクロに戸惑いながらも、凛と桜は彼女の言葉を聞いている。
「だから、どんな格好をしても、寒いとか暑いとかは感じない。だから、クロが好きな格好をして戦うのだ!」
そこまで言うと、クロは彼女の目の前のバーサーカーに視線を戻す。彼女たちのやり取りを待っていてくれたバーサーカーには、もしかしたら理性が残っているのかもしれない。クロは目を細めてバーサーカーを見る。
「お前がどのくらい強くて、どのくらい痛みをクロに与えられるかは知らないけど、感覚が記録としてしか認識されないクロは、痛みによって戦闘を離脱することは無い。そして、この素材に埋め込まれている魔術回路を最大限に使用すれば、魔力がそこを尽きるまで、素材の破損の無限修復も可能。長期戦に持ち込めば、クロが負けることは無い!!」
堂々と勝利宣言をするが、バーサーカーはもちろん言葉は発しない。ただ、突き刺すような殺気をクロに向けていた。自分の前に立ちはだかる彼女を、完全に敵と認識したようだ。
クロはその殺気を受け流しながら、自慢げに胸を揺らす。
「それに、どうだ! クロのナイスバディに、戦闘意欲がなくなるだろう! そんなに大きい鎧を付けてるんだから、中身は男に決まっているのだ。男なんて、胸を見せつければ、屈服する生き物なのだ!!」
黒の思いがけない言葉に反応を示したのは桜だ。
「はっ、そうだったんですか。じゃあ、私も……」
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