Third day
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いを詰められていく。というか、あのバーサーカー、何で道路の標識持って走ってるんだろう。まさかあれが武器なのか。などと思い走る、走る。
と、凛と手を繋いで走っていた時臣がいきなり地面に倒れこむ。それにつられて凛も地面にダイブ。
「えっ?」
思わぬ事態に、桜と雁夜は二人を二度見してしまう。時臣が転んだ原因は、地面に落ちていた木の棒を踏んだことのようだった。少し後ろに、二つに割れた木の棒がそこにあった。まるでマンガのような展開に、桜と雁夜は何も言えずにいる。半ズボンを着ているため、膝を思いっきり擦りむいている時臣は涙目だ。
だが、そんなことはバーサーカーには関係の無いようで。捕まえた、というように四人の前に仁王立ちする。絶体絶命。四人の頭にその文字が浮かんだ時だ。
「吾輩は、猫である!」
聞き覚えのあるその声。自信に溢れた声だ。
目の前に現れたクロ。その声は頼もしい物だったが、何ともこのままだと頼りない姿だ。だって、ただの猫だし。せっかく家からここまで来たのなら、セイバーやライダー、士郎を呼んできて欲しかったと凛は思う。すると、それに気が付いたかのようにクロが凛を振り返る。
「リン。今、吾輩に対して、失礼なことを考えただろう!」
「何のことかしら?」
白を切る彼女に不満そうな視線を送るが、すぐに目の前のバーサーカーに視線を戻す。
「クロは強いのだ。こんな変な黒い塊に、吾輩が負けるはずない」
クロの周りに黒い渦が巻く。そして、みゃおんと声を上げると、大きく跳躍した。
黒の渦が晴れた時、そこにいたのは黒の子猫ではなく。
黒のショートカットに、豊満な胸、すらりと伸びた足。その体を包む水着、というかビキニ。そして、人間の姿でありながら感じる違和感、黒い猫耳と尻尾。
「吾輩は、クロであるっ!!」
「いや、お前誰だっ?!」
凛のツッコミが突き刺さった。
凛のツッコミを受けて、クロはため息をつきながら振り返る。髪をかき上げて熱い吐息を吐くその姿は艶めかしく、それだけで絵になるようなものだ。
「誰って、酷いのだ。可愛い可愛い、シロウの猫のクロである!」
「可愛い」と言い部分を最大限に強調し、彼女は胸を張って言う。ぐいっと突き出された、薄い布一枚のみを付けている胸が振動で揺れるのを見て、一瞬凛は言葉に詰まる。だが、すぐに非常識な格好をしている彼女に更なるツッコミを入れていく。
「自分で可愛いって言うな――! それと、あんたなんていう格好してんのよ。誰かに見られたら警察行きよ?!」
現在は冬、そして彼女たちがいるのは新都の人通りの少ない路地。普通に考えて、ビキニ姿の女性はいるはずがないのだ。もし通行人に見られたら、目の前のバーサーカーよりも先に、クロが警察に通報されそうだ。わいせつ物的な感じで。
だが当の本人は、まっ
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