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Fate/insanity banquet
Second day
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ばかり自分の周りに集まるのか。
「吾輩は、猫である!」
「ちょっとうるさい」
 思考がぐちゃぐちゃになりかけた時に聞こえた声に、間髪入れずに返事を返す。すると、次にむっとした声が聞こえた。
「クロは、士郎と時臣を守るようにって、あいつから言われたのである!」
「それはありがたいな……ん?」
 今、自分は何と話した? ここで会話が出来るのは、自分とその横にいる時臣だけのはずだ。じゃあ、一体誰と話しているんだ。答えは簡単だ。消去法で出るじゃないか。クロだ。
「ゴエイタイショウは、纏まっていた方が好都合なのだ!」
「ストップ、何でクロが喋ってるんだ? いや、いきなり人間になったりするから、なんでもありかもしれないけど!」
 自分の腕の中でふんぞり返っている子猫に向かってツッコミを入れる。話を中断された時臣は、士郎の腕に縋り付くようにして再び頼み出す。段々収集のつかないことになってるんじゃないのか、と士郎の脳裏によぎった時。
「あれ? 士郎、こんなとこで何してるの?」
 聞き慣れ過ぎた声。何でこのタイミングで来るんだろうか、と誰にでもなく問いかける。間違いなくこの赤い悪魔がここに現れたことで、話が更にややこしくなる。その確信だけが、士郎の中にあった。

 某、衛宮家の居候の赤い悪魔、遠坂凛は、すたすたと士郎の元に歩いてくる。
「公園のど真ん中で、本当に何してるの?」
 休日の昼間、男子高校生が小学生くらいの男の子と何やら揉めており、その手には黒猫。怪しい。実に怪しい光景だ。士郎もそのことは自覚しており、彼女になんと答えればいいのかと、戸惑う。
「あ、いや……」
 何と説明すればいいのだろうか。というか、どこから説明すればいいのだろうか。士郎が話を纏めようとしていると、彼と凛に挟まれるように立っていた時臣が行動を起こした。
「お願いします。僕には、あなたが必要なんです。見捨てないでくださいっ……」
 凛の出現で大人しくしていた時臣は、痺れを切らしたように士郎の腰に抱き付いたのだ。
「ちょっと待て、誤解を生みそうな発言は……」
 どこかの昼ドラでありそうなシーンを、自分とこの少年で再現するのは根本的に間違っている。その上、凛には先ほどから不信感の積もった視線を向けられている。
「士郎……あんた……」
 数歩下がって凛は、引き気味に言う。やはり、彼女が何か彼との関係で重大な勘違いをしているようだ。士郎は大きな身振りで否定する。
「遠坂、絶対に何か勘違いしてるから。お前が考えてるようなことは、起きてないから! 時臣君も、ちょっと黙ろう、うん」
 士郎が口にした、時臣という少年の名前。もちろんそれに大きく反応を見せたのは凛だった。
「え、時臣? あなた、時臣っていうの?!」
「は、はい」
 彼女の勢いに気圧される時臣。

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