Second day
[3/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
らりと光りを放つ赤い石が落ちてるのを見つけた。
「あ、これ。さっきの子の落としもの?」
士郎が拾い上げようとすると、彼の肩からクロが降り、そ石をくわえる。そして、先ほど少年が立ち去った方向へ弾丸のように飛び出していった。
「クロ!」
士郎が呼び止めるが、お構いなしに走っていく。
「悪い、買い物頼んだ!」
このままではいけないと思い、財布の入ったお買い物かごをアーチャーに押し付け、士郎はクロを追って走り出した。
「おい、衛宮士郎!」
アーチャーが呼び止める声は届かず、士郎の姿は人ごみに掻き消えていってしまう。一人残されたアーチャーは、大きくため息を吐き出した。
「何のために、貴様に付き合ってここまで来たと思っている。豚バラ肉を二人で四パック買うためだろう……」
落胆して肩を落としたアーチャーは、近くにある公衆電話を見つけ、どうせ家でごろごろしているセイバーに来るように言ってやろうかと思った。
駆け出していったクロは、数分のうちに先ほどの少年を見つけていた。公園の入り口で立ち止まり、自分の服のポケットを何度も調べている彼の前に姿を現した。
「あ、猫さん」
クロの存在に気が付き、しゃがんで目線を合わせる。クロは咥えていた石を彼の前に転がした。
「あ、僕が落とした……もしかして、僕に返しに来てくれたんですか?」
クロは自慢げに、にゃおんと一鳴きする。少年は石を受け取ると顔を輝かせた。
「ありがとう。すごく大事なものだったんだ」
感謝の思いを込めてよしよしとクロの頭を撫でていると、息を切らした士郎が現れた。
「やっと追いついた……」
少年は先ほどぶつかった相手が再び現れたことに、少し驚いているようだった。
「クロ、いきなり走り出さなくても良かったのに」
クロは士郎の足元に行き、かりかりとズボンのすそを引っかいた。はいはいと返事をしながら、士郎はクロを抱き上げる。
「また、会ったね」
士郎が笑顔で語り掛けると、少年も表情を緩める。
「はい」
これも何かの縁、名前でも聞こうかとした時だった。
「発見した」
感情を含まない声だ。それが自分たちに向けて発せられたものだと気が付き、士郎は周りに目を向ける。
「誰だ……って、セイバー?!」
公園のベンチに立っている少女は、黒い戦闘服を纏っているセイバーそのものだ。
――違う。あれは、黒くなったセイバー。でも、どうしてここにいるんだ? 大体、どういう原理で動いてるんだ?
士郎の頭の中にクエスチョンマークが立ち並ぶ中、黒いセイバーは剣を彼らに向ける。
「わが主からの命。再び生まれし魂を、殲滅する」
彼女の振り下ろした黒の剣。そこから溢れる負のオーラが、士郎たち目掛けて放たれた。
咄嗟に士郎は少年を庇い、抱きとめた。あの聖剣から
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ