第25話
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ている。と、その時、飛行機が切れ間を飛んで行った。あれに反応したのか?それにしては…、
「やめたやめた。先に到着しちまおう。時間がない」
疑問を胸の内に押し込み、爆走を再開する。目的地まではまだ距離がある。先生達が到着するまでに現地に居なければならないのだ。
だから、俺の頭上を雲に紛れて通過していった「ソレ」に気付かなかった。
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バスが到着する予定の三十分程前に、目的地である旅館前に辿り着き、ブレーキを掛け、砂煙をもうもうと上げながら停止し、息を整えながら、
「着いた!遠い!」
と口から文句が。とにかく眠い。ひたすら眠気を紛らわせる為体を動かしていると、出迎えの為に出て来た女将さんと鉢合わせに。
何か言うかと迷っていると、丁度バスが来た。
織斑先生を先頭に、生徒逹が続々と整列する流れに合わせ、まんまと一夏の後ろに並んだ。そして、全員で挨拶し、ぞろぞろと部屋に案内されていく。俺はゼロと同部屋で、一夏は織斑先生と同部屋だった。妥当と言えば妥当だが、あまり意味がなさそうなのは、俺の気のせいだろうか?
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顔を洗って眠気を吹っ飛ばし、男子用の更衣室で制服からアロハシャツに着替え、浜辺に出て来てみれば、辺りは水着の少女達の多いこと。
眼福と言える景色なのだろうが、ゼロと一夏に群がるような状態で固まっているので、とても暑そうだ。間違っても代わりたくない。ないったらない。そんなのよりアイスソードが欲しい。殺してでも奪い取りたい位に。
…イカンイカン、未だに徹夜のツケは残っているようだ。洗顔程度では撤収してくれないのか、奇妙な考えばかり浮かんでくる。
「兄さん、何してるの?」
「つれない君も魅力的だが、今はもっとよく見てほしい。君のために用意した水着なのだから」
そしてやってくる真琴と葵。水着姿が眩しいのに、喜びが湧いてこない。水色一色のパレオを巻いたビキニの真琴と、黒ビキニの葵。そんな極上の二人を前にしても、眠気が勝る。だから、二人に言ったのだ。
夕食まで部屋で寝てくる、と。
両頬に真っ赤な紅葉が出来上がったのは、語るまでもないことだ。
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ゼロに肩を揺さぶって起こされ、すっかり元気になった体で夕食に向かう。睡眠は大切であると再認識した。
「どんなのが出るだろうな?」
「何が出ても、結局はゼロは『あーん』で食べなきゃいけないから大変だな」
ゼロと話しながら、後ろを向く。そこには、部屋からずっと俺逹に付いて来る少女。
やや俯いたその顔は、端正だが変化に乏しい。そしてその手でボールを弄んでいる。ゼロが何も言わないから聞かなかったが、誰です?この人?
俺の予想ではゼロが引っかけてきたのだろうが、好み広いな。ま
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