第25話
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、妹の臨海学校の準備の為に、街のショッピングモールに来ていた。何でも、水着を新調するらしい。ゼロや一夏も準備すると言っていたし、もしかすればばったり会うかもしれない。…俺の準備は万全だが。
それにしても種類豊富なショッピングモールである。衣食住も和洋中も老若男女も問わない品揃え。フリーのカメラマンも文句無しのラインナップと言っていいだろう。買わないが。
「お、水着は男女で売場が別みたいだな」
「…兄さん、来ないの?」
「行かなきゃお前うるさいだろ?行くぞ、真琴」
「うん」
流石は女性水着売場、色も種類もアウェイ感も半端ではない。そして、此処は女性上位の世界、男の肩身は狭いのである。
「これ戻しといてもらえる?」
見ず知らずの女性に水着を手渡されて戻したら、次は別の女性に水着を持って来てくれと言われたので渡し、真琴の水着が決まるまでちょこちょこ動いた。一夏が見れば怒るだろうが、世の中まだまだ女が強い。真の男女同権はまだしばらくは来ないのだ。
「あ、丹下君、妹さんとお買い物ですか?」
「山田先生?ええ、妹の付き添いで」
「仲良き事は良い事だ、丹下」
真琴を待っている間に、山田、織斑両教諭と会った。やはり水着を買うらしい。ニ、三会話していると水着を購入した真琴が来たので、挨拶もそこそこに、売場を去った。何か歯噛みしているオルコット達が居たが、何だったのだろうか?
──────────
「ラァァァ!!」
時刻は真夜中、只今丹下智春、臨海学校目的地へ爆走中。理由は、数時間前に端を発する。
『バスの座席が足りん』
そう言った織斑先生によれば、立て続けのイレギュラーにより増えた生徒の分のバスを確保出来なかったとか。
ならばどうすればいいのかと問うた俺に先生からの答えは非常にシンプルだった。
『走れ』
『…ハイ?』
『一日で100Km走る企画も毎年あるのだ、不可能では無い。許可は私が出す、ISを使えば問題あるまい』
そうと決まれば、寝ている一夏を起こさないように荷物を背負い、校門の守衛さんに事情を話し、現在に至る。
なかなか痛快な景色である。深夜故に人も車も少ないが、すれ違う度に目を丸くされるのだから。無理もない、暗がりで分かりにくくしてはいるが、足だけ展開したヴァンガードの力で、馬並みの速度で走っているのだから。
スタイリッシュな独眼竜がUMAも使わず抜かされる悲哀が少しだけ理解出来た気がする。ただしホ〇ダム、お前だけは駄目だ。
そんな無駄な考えを巡らせ、寝ていないが為のハイテンションで走っていると、直上から反応をヴァンガードがキャッチした。
急ブレーキをかけ、空を見上げるが、雲と雲の切れ間から白み始めた夜空が僅かに顔を覗かせるのみ。ヴァンガードも沈黙し
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