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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-20
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理解しきれていないの?」
「まあ、そういうことだと捉えてもらってもいいよ」
「そっ、そんなこと本当なら……」
「そう、君が考えている通りだよ。形態移行(シフト・チェンジ)の時に武装が変わったりするのは、操縦者がそう望んでいるから。翼がほしいと言えばできるし、強固な守りがほしいと言えばできる。操縦者の無意識のうちの望みが反映されているんだ」


 鈴音は見開いていた眼を閉じるとベットに深くもたれかかり、また目を開いた。いったん整理をする時間がほしかったのだ。再び視線を束に合わせ、話を促す。


「……で? 発明者であるあんたなら、形態移行(シフト・チェンジ)の条件だってわかってんでしょ?」
「流石、話が早いね。一次移行(ファースト・シフト)の条件はみんなが知っている。一定以上の時間乗っていればいいだけ。二次移行(セカンド・シフト)はコアの深層心理と接触をすればいい。そのきっかけは人それぞれで、十人十色といってもいい。三次移行(サード・シフト)は、深層心理と対話を試みないといけない。固く心を閉ざしている深層心理と仲良くなれってことだよ。そして、最終移行(ファイナル・シフト)は……残念だけど私にも良く分かってないんだ。だから、この領域まで来た人なんて皆無だね。まさしく前人未到の域だよ」
「待って、今の言い方だと三次移行(サード・シフト)まで行った人はいるってことになるけど」
「鋭いね。二人だけいるよ。私とちーちゃん」
「ちーちゃん……?」
「織斑千冬のことだよ。みんなちーちゃんを見るとワーワー言うけど、理解に苦しむね。……あんな奴のどこがいいんだか、分からない。分かりたくもない」
「千冬さんのことは好きじゃない……? あんたたちは親友じゃないの?」
「そんなの昔の話だよ。十年以上も前の話。……話を戻すよ。ここで最初に戻るんだけど、今のリンリンはISは上手く使えている。でも、それは道具として。ISを人として扱ってみて」


 鈴音は何も言わない。ただ、自分の待機形態であるブレスレットに目を落とすだけだ。


「薄々感づいていると思うけど、ISはものじゃない、人なんだ。それをあいつらはものとして使って軍事転用しやがったんだよ。まったく、もともと宇宙に行くためのマルチパワームドスーツなのに。……でもまあ、予想の範疇にある行動で逆にがっかりしたけど」
「ISを人として扱う……」
「ん? ああ、そう。今までに二次移行(セカンド・シフト)している人やちーちゃんや私は人としてISを接している。道具として接し続けているならいつまでも深層心理は操縦者に心を開いてくれない」
「たった、たったそれだけのことなの? たったそれだけのことなのに、みんなできないことなの?」
「たったそれだけのことなのに、とても難しい。何? 
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