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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-20
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もはやトラウマと化してしまっていたあだ名を久しぶりに呼ばれ、カチンと頭に来てしまったが、そんなことは続く言葉を聞いたらどこか彼方へ飛んでしまっていた。
 強くなりたい――――。これだけが頭の中を駆け巡る。束の問いかけに鈴音は思わず即答していた。


「食いつきがいいね。そんなに悩んでたなら、ゆっくり教えてあげるよ。まず、ISのコアにある深層心理って知ってる?」
「い、一応知識としてだけなら。でもあれって単なるデマなんじゃあ……?」
「そんなことないよ。うん、そうだね。少し長くなるけど……いいかな? 大丈夫だよね、時間はたくさんあるんだから」


 そう前口上を置かれて話し始められたISの真実。束の口から言葉にして出されること全てに鈴音は驚愕し、今まで学んできた知識をすべて覆された。ISの開発者から話されることは何の偽りのない真実だ。どこの国家も例外なく隠していた不都合な事さえも隠されることなく告げられる。


形態移行(シフト・チェンジ)についてを説明すれば、全部分かってくれると思うんだけど。一次移行(ファースト・シフト)二次移行(セカンド・シフト)については知ってるよね?」
「それは知ってるわ。一次移行(ファースト・シフト)については、ある程度乗っていれば自動的に行われるけど、二次移行(セカンド・シフト)は行われることは分かっているけれど、その条件までは知られていない、といったところかしら」
「へえっ、意外。細かい所は気にしない人だと思ってたけど、そうでもないんだねっ。感心、感心」
「しっ、失礼ね……。これでも、代表候補なんだから。そのあたりのことは勉強したに決まっているじゃない」


 鈴音は束の人を見下したような反応に眉毛をぴくぴくさせながら、修正させる。ここで怒鳴ってしまって束の機嫌を損ねるわけにはいかなかった。感情的で直情的な彼女が耐えられたのは奇跡とも評してもいいのかもしれない。
 そんな鈴音のことなど束は気にすることはない。顔こそは鈴音の方を向けてはいるものの、視線は鈴音にあらず。


 束は鈴音に話すことを大まかに考えていた。すべてを話すには時間がなさすぎる。それでも伝えることは多すぎる。故に纏めていたのだが、聞いている生徒が予想以上に優秀だったため、へんに捕捉を入れる必要が無くなった。その点は束にとって嬉しい誤算だった。


「実はね、形態移行(シフト・チェンジ)は四段階あるんだよ。一段階は操縦者が取り敢えず動させるような状態。二段階は操縦者がコアの深層心理と接触を果たした状態。三段階はその深層心理と意思疎通が図れる状態。そして最後は――――私でもいまいちよく分かってないんだけど、おそらく深層心理と一体化すること」
「深層心理に人格がある、なんて……それに発明者でさえISを
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