第四章 誓約の水精霊
第三話 セーラー服
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で座ったシエスタは、もぞもぞとお尻を動かす。
「う〜……やっぱりスースーする……もう、あんなところに水の入ったコップを置かなくても、おかげで――」
「『おかげで』どうしたんだシエスタ?」
「ひゃっ!?」
突然後ろから声を掛けられたシエスタは、慌てて立ち上がり後ろを振り返えると、そこには士郎が立っていた。
「しっ、シロウさんッ!! どうしてここに?」
「ああ、厨房に行ったら、マルトーにシエスタがここにいると聞いてな、それで何か手伝えないかと思ってな」
「シロウさん……」
ポー、とした表情で士郎を見上げるシエスタを、士郎は上から下までじろじろと見つめる。
それに気付いたシエスタが顔を真っ赤にさせると、身体をもじもじとさせ始めた。
「あの、ど、どうかしましたか?」
「ん? いや、エプロンが似合うと思ってな」
「そっ、そんな」
顔を真っ赤にさせて俯くシエスタを、見下ろす士郎の脳裏には、高校生時代の思い出が流れていた。
その中に、制服の上にエプロンを付けた後輩の姿があった。
懐かしげに目を細めシエスタを見下ろす士郎に、引き寄せられるようにシエスタはゆっくりと近づいていく……と、足元に転がっていたガラクタに足をとられ……。
「っシエスタッ!」
倒れそうになるシエスタを支えようと駆け寄ろうとした士郎だが、随分と古い物置小屋だったためか、士郎の足が床を踏み抜いてしまい……。
「あれ?」
「きゃっ」
ドカンという音と共に、物置小屋にホコリがもうもうと舞い上がる。
舞い上がったホコリが再度床に降り積もった後には、士郎の腰に跨ったシエスタの姿があった。
士郎の腰に跨った状態で固まる二人。
暫らく見つめ合っていた二人だが、士郎がふっと、息を漏らすような笑みをシエスタに向けた。
「……二度目だな、この格好は」
「そう、ですね……シロウさん」
シエスタも士郎に笑いかけるが、その笑顔は何故か硬かった。
「確か以前は……」
硬い笑顔を浮かべていたシエスタだが、一度ゴクリと喉を鳴らすと、ゆっくりと士郎に向かって身体を倒し始める。
「ちょっ、シエス―――げっ?!」
「え? どうしましたか?」
ゆっくりと近づいてくるシエスタを止めようと声を上げようとしたが、とある重大なことに気付いた士郎が驚愕の声を上げた。
「シエスタ……もしかしてブラ着けてない?」
「え? ぶら? ぶらって何ですか?」
コテっと小首を傾げるシエスタの姿に、士郎は両手で顔を覆ってうめき声を上げた。
「あ〜……そう言えばここにはブラジャーがなかったな……」
「わたし、何か変ですか?」
「いや、変と言うよりやばいと言うか……」
近づいてく
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