第四章 誓約の水精霊
第三話 セーラー服
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に広げた古びた本を確認しながら何かを調合している。
ロングビルは焦っていた。最近士郎の周囲にいる女たちの士郎に対するアプローチが強くなっていくのに気付いたからだ。もちろんロングビルも、周囲に負けないよう、空いた時間に士郎に積極的に会いに行くなどしたが、結局タイミングが悪く会うことが出来なかった。
そしてつい数日前のことであった。士郎と会えない間に、士郎と他の女との仲が深まっていくの感じていたロングビルは、焦る心を紛らわせるため、部屋の掃除をしていた時のことであった。
自分がまだ、『土くれのフーケ』と言われた頃、どこかの貴族の屋敷から盗み出したものだと思われる古びた魔法書が出てきたのだった。
それを何気なく開いたロングビルの目に、とあるポーションの作り方が書かれていた。
そのポーションを使えば、士郎との関係を一気に進ませ、士郎の周りにいる女たちをぶっちぎることが出来ると分かっていたが、使うための踏ん切りがどうにもつかなかった。
何故ならば、ポーションを作るには、様々な高価な材料が必要だったが、それ以上に何より、そのポーションの効力が問題だったのだ。
だが、メイドのシエスタを始め、士郎の主であるルイズの士郎に対するアプローチが激しくなっていくのを見たロングビルは……ついに切れてしまった。
その結果……
「ふ……ふふふふふふ……シロウ、こっ、これを使えば……ふっ、ふふふふふふふふふふふふふ……」
二つの月が淡く照らし出された部屋の中、ロングビルの哄笑が……
――はははっはっはっははっははっはははっはははっはははっははっはははっはっはは――
響き渡る。
翌朝、教室の中は普段よりもざわついていた。
ざわざわと騒ぐ生徒たちの中心には、水兵服を着たとある女生徒の姿があった。
長い金色の巻き毛と鮮やかな青い瞳を輝かせている女生徒、モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシである。
モンモランシーは上を水兵服をアレンジした服で、下にはシエスタが着ていたスカートよりも遥かに短い、膝上十五センチをはいていた。
水兵服から感じる新鮮な清楚さと、その下のスカートから感じるエロティシズムにより、モンモランシーに対し、教室中の男子生徒が視線を向け、さらには、女生徒の羨望と嫉妬が向けられた。
欲望、羨望、嫉妬、憧れ等様々な視線を浴びたモンモランシーは、得意そうに笑い、金色の巻き毛を一度手で払うと、自分の席に向かう。
ルイズはそんなモンモランシーの姿を、あんぐりと口を開けた顔で見つめていた。
そして、はっ、と目を瞬かせると、隣に立つ士郎を見上げると、そこには。
「ふむ、やはり、あの子ならスカートは短くて正解だったな」
「っ、やっぱりシ
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