第四章 誓約の水精霊
第三話 セーラー服
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「ふむ、やはり似合うな」
太陽照りつくアウストリの広場で、士郎は目に映る光景に深く頷き。そして、身体に渦巻く熱を吐き出すかのように息を吐く。
ふぅ……
胸が熱い……顔が、緩む……。
胸に感じるのは郷愁か? それとも感傷? それとも……。
自分でも胸に感じるこの熱い思いが何か分からないが……悪くはない。
「あ、あのシロウさん? この服軍服なんですよね? わたしなんかが着ても、変じゃないでしょうか?」
「変? いや、とても可愛いよ」
「かっ、可愛いですか」
「ああ、確かにその服は水兵の服だがな、俺の国では、シエスタぐらいの年頃の子達が、そんな服を着て学校に通っていたんだ」
懐かしげに目を細めて見つめてくる士郎の様子に、シエスタは、はにかんだ笑みを浮かべる。
「それじゃあ、シロウさんもこの服を着て学校に通っていたんですか?」
「ぶはっ……。あ〜、学校には通ってはいたが、さすがにその服じゃなかったな、その服は女性が着るものだったんだ」
シエスタの疑問に、思わず吹き出してしまった士郎だが、頬を指で掻きながら説明をする。
「ふふふ、確かにこんな短いスカートは、男性の人が着ても似合いませんね」
そう言ってシエスタはスカートの裾を掴むと、スカートの裾から眩しいほど白いシエスタの太ももが覗いた。思わず視線がシエスタの太ももになぞってしまうと、それに気付いたシエスタが、ゆっくりとスカートの裾を引き上げていく。
「っごく」
「ふっ……は……ぁ……ぅ……ん」
この制服もどきは、士郎が手ずから仕立て直した一品であった。
水兵の服は、白地の長袖に黒い袖の折り返しがついており、襟とスカーフは濃い紺色と、特に手を加えなくともそのままで十分制服だと言い切れる物であり、一昔の古風なセーラー服にそっくりであった。しかも、裾に白い三本線が走っていたことから、それがまるで学年を示すかのように見え、完成度も高かった。よって、士郎はそれをシエスタに合うように丈を合わせただけで済んだ。
しかし、水兵服の上はセーラー服にそっくりであったが、下はズボンであったことから、スカートは士郎が自作したものであった。
スカートは古風なセーラー服似の水兵服に合わせ、随分と長めに作り上げていた……その結果……
軽く股を開き、焦らすようにゆっくりとスカートを引き上げるシエスタの瞳には、ねっとりとした熱が見えた。
士郎の喉が鳴り、シエスタの息が乱れる……シエスタの頬に赤みが差すと、それに合わせるかのように白い太ももが淡く赤く色付く。裾が引き上げられたことにより、その淡く赤く色付いた、カモシカのような太ももの姿が段々と姿を現す。
スカートの丈が長いことからか、裾が上がっていく感覚が
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